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 にこやかに笑う近藤さんとは対照的に、むっつり顔の総悟と総太が並んで正座をしている。
 あれから近藤さんを交えて話し合いをし、総太が土方さんの子どもであると告白すると土方さんにプロポーズを受けた。総太を生んだのは私が決めたことであり土方さんが責任を感じることはないと断ったのだが、総太のことは関係なしに私を支えたいと土方さんが初めて積極的にアプローチしてくるものだから思わず頷いてしまい結婚が決まったのだ。土方さんと籍を入れることが決まってから、総悟も総太も面白くなさそうな顔をしている。

「式の段取りは任せてくれ」
「今さら式なんて恥ずかしいですね」
「女は式を挙げたがるものじゃねえのか」
「私はどちらでも構いません」
「いやいや、ヘンリー殿。一生に一度のことなんだから盛大に祝わなきゃならんよ」

 山積みにしたパンフレットを叩いた近藤さんは、私たちの結婚を自分のことのように喜んでくれている。それに比べ――

「総悟と総太は、祝ってくれないのかしら」
「……」
「……」
「「…………」」

 口を一文字に結んだ総悟と総太に困ったように眉を下げてみるも二人はなにも言葉を発することはなく、傍にいる総太の頭を撫でてようやく彼らは口を開いた。

「考え直した方がいいと思いやす」
「母上は僕のです」
「……なに言ってやがんでィ、誰がお前のだって?」

 睨み合いを始めた二人の間に入り二つの頭を撫で回すと二人は目を細め、瓜二つのその顔にクスクス笑みを零して髪に指を差し込む。
 その様子を私の隣で静かに見ていた土方さんが、おもむろに手を伸ばして総太の頭を撫でる。総太は嫌そうに顔を歪めたが、土方さんの手を払うことはしないので恐らくただの照れ隠しだろう。

「……触るんじゃねー」
「総太、父親にそんな口をきいては駄目よ」
「うっ…………母上の、ばか」

 顔を逸らした総太は唇を尖らせ不満そうにしているが、それ以上に嬉しそうにしている。もし総太が犬だったら尻尾をはちきれんほど振り回しているかもしれないと笑みを零す。素直でない息子と、戸惑う旦那を見て、幸せが胸に溢れた。

130203
end
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