ホグワーツ特急に乗り込むために訪れたマグルの駅で、人混みに負けそうになっているとハリーが助けてくれた。大丈夫かと心配してくれるハリーに頷いて魔法の壁に走っていく。先に入っていったお母さんたちのようにすんなりくぐり抜けられるだろうと油断していたせいか、カートが跳ね返されると勢いよく転んでしまった。膝から血が滲み、痛みに顔をしかめると慌てたような表情をしたハリーが駆け寄ってくる。私の隣に膝をついたハリーは、体をかがめて私の膝に舌を這わせ――、一瞬痛みが走った気もするが、それより驚きの方が数倍も勝り目をまん丸にしていると、ハリーは慣れた手つきで私の膝に包帯を巻いていく。(どこから包帯を出したのだろう)

「ヘンリー、大丈夫? 痛む?」

 心配そうに声をかけてくれるハリーにお礼を言い、けれどもう舐めるのは止めて欲しいとお願いをしてから立ち上がり、気づいたことがある。ロンがどこにもいないのだ。ハリーにロンを知らないかと問うとハリーはどうでもいいと答え、私を抱き締める。いやいや、どうでもよくない、とハリーを押しのけてロンを探したのだがどこを探しても見つけることはできず、そうしているうちにお母さんとお父さんが姿を現す。なんでついてこなかったんだと怒る二人に理由を説明すると不思議そうに首を傾げ、けれどいくら悩んでも答えは出ず、ハリーの梟でホグワーツに連絡をとることになった。お母さんとお父さんはやることがあるからと私とハリーを残して帰ってしまい、二人きりになった途端密着してこようとするハリーから逃げながらホグワーツからの連絡を待つ。
 それから数時間もせず、人混みの中から黒い塊が現れた。ホグワーツから迎えにきてくれたというセブルス・スネイプ先生に付き従い、無事にホグワーツへ到着した私はすぐさま組み分けを行うことになり、おんぼろの帽子を頭に乗せ「スリザリン!」……あれ? 「スリザリン!」無事に組み分けを終えた。

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