グリードアイランド

 先日までゴンとキルアと行動をともにしていたのだが、少しの間だけ別行動をすることになり、グリードアイランドというゲームをおおいに楽しんでいた。

「今度はあそこを攻略しよう!」

 ゲームが得意なわけではないので、攻略できないものも多いが、少しはカードをゲットしていた。ゴンたちに見せたらどんな反応をするだろうかとほくそ笑みながら歩いていると、見覚えのある人物に気づく。あまり関わり合いになるのはよくない相手だと、踵を返そうとするも、それより早く相手が私の存在に気づき、さすがに無視するのは失礼だと手を振ると、顔にペイントをした人物が近づいてきた。

「久しぶり、ヒソカ」
「君もゲームに参加していたんだね」
「うん、このゲーム楽しいわね。ヒソカも、楽しんでる?」
「ん? まあね◆」

 ニッコリと目を細めて笑うヒソカは、ゲーム攻略よりゲームの雰囲気自体を楽しんでいるようだ。――久しぶりに知り合いと会ったからか話は弾み、少しの間だけ一緒に行動しようという誘いにも、つい頷いてしまった。

「どこのホテルに泊まってるんだい?」
「お金が勿体無いから野宿よ。ヒソカは?」
「あそこ」

 ヒソカの指の先にはアンティークな可愛らしい家があり、あまり彼に似つかわしくない宿に目を瞬かせると「嘘◆」と言ってヒソカは笑う。ヒソカの腕を叩いて文句を言うとますます笑うものだから、眉を寄せてそっぽを向く。
 機嫌をとるように頭を撫でてくるヒソカがくれた飴玉を口に含み、二人並んで街中を散策していると、意外なことにゲームが得意なヒソカのおかげで、私が攻略することのできなかったミッションも簡単にクリアすることができた。

「ヒソカのおかげでカードが集まったわ。ありがとう」
「どういたしまして。こっちもいろいろ勉強になったよ」
「そう? ならよかった」
「うん。……で、そろそろ付き合ってくれるかい?」
「? まだどこか行きたいとこあるの?」
「……残念◆」

 今回お世話になったのは事実なので、私でいいなら付き合うと申し出たのだけれど、ヒソカらしからぬ謙虚な返事が返ってくる。あまりしつこくするのは逆に迷惑だろうと、それ以上はなにも言わずにヒソカとは別れた。

130212
end
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