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 見事卒業試験を突破することができた私は、いかついおじさんとチョウジ、シカマルの四人で班を組むことになった。親睦を深めようというアスマ先生の提案により訪れた甘味処でわらび餅に串を刺しアスマ先生の声に耳を傾ける。

「これからこのメンバーで付き合ってくことになるわけだが、なによりも大切なものはチームワークだ。……まあ、お前ら三人に改めて言う必要はないみたいだが」
「うん。私たち、アカデミーのときも連携プレイをしたことがあるわ。ね」
「ヘンリーが付き合えってしつこいからな」
「……なによその言い方。シカマルが普段授業サボるから鍛えてあげたんでしょーが」
「まあまあヘンリー。そんなに目くじらたてなくても」
「む……先生、シカマルはサボリ癖があるのでしっかり指導してくださいね」

 チョウジの食べている餡蜜とわらび餅を少し交換してもらいパクリと食べる私の横でシカマルが「めんどくせー」とぼやくのでシカマルのみたらし団子を盗んでやった。食べ物に執着はないのか怒られはしなかったがチョウジにずるいと言われたので一口だけ食べたみたらし団子の残りを全部チョウジにあげると嬉しそうに頬張り出す。あまりにも嬉しそうにするので残っているわらび餅も分けてあげた。

「先生、明日の任務はなんですか?」
「明日はペンキ塗りだ」
「めんどくせー」
「お礼のお菓子もらえるかな」
「どうかしら? 動物探しとかの方が、もらえる可能性が高い気がするわ」

 頬にきなこをつけているチョウジに布巾を渡しながら頭の中で明日の予定を組み立てていく。任務は四時には終わるだろうから、その後イタチに連絡をとって……でも最近のイタチ忙しそうだからな。

「ヘンリー、自分の世界から帰っておいで」
「……ちょっと考えごとをしていただけよ」
「イタチさんのこと考えてたんでしょ」
「なっ! ち、違うわよ!」
「おい、少し静かにしろ」

 思わず席を立ち上がった私の服を掴むシカマルに従い声のボリュームを落として椅子に座り直すと、ポンポンと頭を撫でられた。暫くは放置をしていたのだが、頭を撫でるだけでなく頬を撫でたり首を撫でたりするシカマルの頭に拳骨を落とし距離を置く。(小さい頃からよくしていたことだが年齢を考えるとセクハラだバカマル)

「イタチって、うちはイタチか?」
「そっスよ。ヘンリーの奴、仲が良いんスよ」
「ほう、最近イタチが熱を上げている彼女ってお前か?」
「……は? え、なんですかそれ」
「違うのか。まあイタチも年下のちんちくりんより……って、ちょ……待てヘンリー、ちんちくりんは言い過ぎた……え、ちょ……」
「先生の馬鹿ー!」

 目の前にあるテーブルをひっくり返してチョウジが引き止めるのを無視しその場を走り去った。そのときイタチが綺麗な女の人を連れて歩いていた現場なんて見てないんだから!

120712
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