3 サスケを家に送ってから帰宅するつもりだったのだが、イタチやサスケのお母さんに勧められるがままに夕飯にお邪魔することになった。(サスケは始めからそのつもりだったらしい。帰ろうとすると「馬鹿が」と言われた) せっかく久しぶりに会ったのだから邪魔ではないかと心配したが、三年という月日を感じさせないほどサスケは家に馴染んでいて、家族の偉大さに感心しながら料理を口に運ぶ。 「最近、サイと仲が良いと聞いた」 「ゴホッ! だ、誰に聞いたの!?」 「サイ……?」 「ナルトとサクラと班を組んでる男の子さ。サスケがカカシ班に戻るなら、会うことになるんじゃないか」 「……ヘンリー、どんなやつだ?」 「そうね……遠距離型の戦闘が得意で、追尾が向いているんじゃないかしら」 思い返してみるとサイが忍術を使っているところをあまり見たことがないが、サクラと、特にナルトをサポートするだけの力はあるのだろう、と言うとサスケの顔が歪む。 「なに不満そうな顔してるの、サスケ」 「別に」 「フッ……サスケは、昔から変わらないな」 イタチがサスケのどこをどう見てそう言ったのかがわからない。私にはサスケが随分変わったように見えるし、実際変わっている。 「そういえば、サクラとナルトには会ったの?」 「いや、木の葉に戻って一番に会ったのがヘンリーだ」 「そっか。なら、一日中探し回ったかいがあったわ」 食べ終わった食器を重ねながら表情を緩めると、サスケも少しだけ口元を和らげる。以前のサスケだったらこんな表情はしなかった、とまた一つサスケの変化を発見したのだが、イタチはまた「変わらないな」と言って薄く笑った。 120815 目次/しおりを挟む [top] |