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 ヒューと口笛を吹きながらセドリックが肩を叩く。

「やっぱり君は箒が上手いね。前見たときも思ったんだ」
「セドリックの方が上手いわ」
「それはありがとう。ヘンリーはいつから箒を?」
「学校に入ってからよ」
「へえ! 一年でそんな乗りこなしたのか。ヘンリーはマグル出身?」
「いいえ、両親は魔法使いと魔女よ」

 魔法使いの家に生まれた魔女が入学するまで箒に乗らないことは珍しいらしく「なにか事情でも?」と突っ込んだ質問をされた。
 事情というか私の母国では十六歳以下の箒の使用を禁じられているのだ、と教えると驚いた顔をされる。変な国だね、と言うセドリックの言葉に、今まで違和感を感じたことがなかった私は首を傾げた。でも、確かに変かもしれない。

「また一緒に飛ばないか?」
「ええ、是非」

 セドリックとの飛行はとても有意義だった、と伝えると彼は照れたように頭を掻く。今度は競争やボール投げもしようと話し合いながら歩いていると、どこからか現れたのかはわからないがフレッドが右側から現れて馴れ馴れしく肩を組んできた。押しても退かないフレッドはグリフィンドールの方向へズンズン進んでいくので、慌ててセドリックにお別れを告げた。

120515
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