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 腕につけた時計を見ると夕飯の時間はとっくに過ぎていた。自分の我が儘のせいでみんなまで夕飯を食べれなくしてしまったことに自己嫌悪しながら箒を降りると、ブルーのユニフォームを着ている人が何人も駆け寄ってきて抱き締められる。

「素晴らしい飛行だ!」
「これでポッターにも負けないぞ!」

 はしゃぐ先輩たちに驚いていると「君がレイブンクローチームのシーカーだ!」と言われ、嬉しさのあまり飛び跳ねた。
 箒を片付けて一番に向かったのはグリフィンドール寮である。グリフィンドール寮の入り口である肖像画をガンガン叩いていたら怒られてしまったが、なんとかジョージさんを呼んでもらいタックルをするように抱き付く。

「……ヘンリー?」
「ジョージ! 聞いて! シーカーになったの!」

 敬称も忘れて報告をするとすぐにジョージさんは祝福してくれた。ジョージさんの後ろから顔を覗かせたフレッドもおめでとうと言ってくれる。「これからはライバルね」と言うと二人はニヤリと笑って手加減はしないぜ、とコツンと私の肩を叩く。

120512
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