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 組み分けのことを話す不安そうな声が聞こえてくるが、そんなことより早く眠りたい。列車の中で緊張を使い果たしてしまったのか、恐怖が緊張を凌駕したのか、比較的落ち着いてきた私の思考はあらぬ方向に飛んでいく。
 ポッターくんが絡まれ、組み分け帽子の説明がされ、ホール内の魔法を解き明かすグレンジャーさんの声が響き、入学式は無事に終わった。
 レイブンクローというまさかまさかの組み分けには驚いたが、メリー・アダムスという同じ寮の女の子と仲良くなれた。

「ヘンリー、船の中で泣いていたわよね」

 クスクスと笑いながら言われた言葉に居心地が悪くてそっぽを向くと、ますますクスクス笑われる。アダムスさんはちょっぴり意地悪なようだ。
 楽しい食事を終えると監督生に寮まで案内される。
 割り当てられた部屋は残念ながらアダムスさんとは離れたが、三人の女の子と同室らしい。
 既に寝支度を整えている三人の女の子は、同い年とは思えないくらい大人っぽくて綺麗だった。
 よろしくと声を掛けると笑顔を返してくれる。

 みんなに倣って寝間着を纏うと、早々にベッドに身を沈め眠りに就いた。

120227
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