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「貴女がヘンリーね? ジョージから話は聞いてるわ。ジョージったら夏休み中ずっとヘンリーのことを話してたんじゃないかしら」

 ……。なにを話したんだ、とジョージさんを見ると「ママ! 言わないでよ!」と顔を赤くする。本当に何を言ったのだろう。

 本当に頂いていいのかと確認をとるウィーズリー婦人に頷くと、さらにお母さんが「ジョージさんの妹に使って貰えるなら嬉しいわ。サイズも問題ないと思うし、良かったらこれもどうぞ」と私の着れなくなった私服までもウィーズリー婦人に渡そうとするのでそれは逆に迷惑だろうと止めたのだがお母さんは私の言葉を無視して婦人に服を渡した。
 不安げにジニーちゃんを見ると予想に反して嬉しそうにしていたので安心していると、彼女に声を掛けられた。

「ジョージの恋人なんでしょう? とても優秀な魔女だって聞いてるわ! 生真面目なパーシーも褒めていたもの、貴女ってとっても優秀なのね。ねえ、入学したら勉強を教えてくれる?」

 初めて会ったときはゴタゴタしてたこともありずっと黙って下を向いていたジニーちゃんだが、彼女はお喋り好きの勉強熱心な女の子らしい。
 ジニーちゃんとお喋りしていると、ウィーズリー婦人とお母さんで制服を揃えてくるから好きに見て回りなさいと言われた。何をしようかと考えていると「一緒にアイスを食べない?」とジニーちゃんに誘われコクリと頷くと、ジョージさんがショックを受けたような顔をする。二人きりでデートをしたかったらしい。
 ジニーちゃんが握ってきた手と反対の手でジョージさんの裾を軽く引くとその手をガシリと握り締められた。

120503
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