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 嵐のようにテスト期間は過ぎ去った。テスト前のギスギスした雰囲気から解放され、先生ですらどことなく嬉しそうにしている。

 ハーマイオニーと解答用紙(控え)を交換し、答え合わせをしていく。彼女の解答用紙(控え)には教科書以上の答えが並んでいて目が丸くなる。羊皮紙を隅から隅まで読んで関心していると、羊皮紙で頭を叩かれた。

「……なにするの、ハーマイオニー」
「なにするの、じゃないわよ。このムラはなに、やる気あるの?」

 机の上に置かれた私の解答用紙(控え)には、色付きインクで丸付けされている。魔法薬学、変身術、妖精の呪文には綺麗な赤丸が並んでいるが、それ以外のものには大きなバッテン印と小さな字で書かれたハーマイオニー直筆の解答がこれでもかというほど並んでいた。
 双子から学んだものが突飛して良いだけなのだ、という私の言い訳をピシャリと跳ね返し、私専用の勉強スケジュールを組み始めるハーマイオニー。そんな彼女に感謝するべきなのだろうけれど「ありがとう」なんて言った日には私専用の練習問題まで作りそうな勢いのハーマイオニーに声を掛けることが出来ず静かに見守る。

「そうだ、ヘンリー。七月の最終日がハリーの誕生日なのよ。夏休みだからって忘れないでね」

 夏休みのスケジュールを細かく書いていた羊皮紙に、赤インクで「七月三十一日 ハリーの誕生日」と綺麗な文字で書き込んだハーマイオニーは満足そうに微笑んだ。

120425
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