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 ヒサシブリ、と日本語で挨拶をするハーマイオニーに、目を見開く。悪戯っぽく笑う彼女を、思わず二度見してしまった。……クリスマスに日本語を学べる本をプレゼントしたが、どう発音まで学んだのだ。

 私の心が聞こえたかのように「日本語を話せる人を探して教わったのよ」と言うハーマイオニーの勤勉さに改めて感心する。

「日本語って難しいのね、まだよく理解出来ないわ」
「生まれたときから学んでいる私でも難しいもの」

 勉強熱心なハーマイオニーに日本語を教えながら歩いていると、角を曲がったところでマルフォイくんとすれ違った。無視するのは失礼だろうと軽く頭を下げると、彼は何故かハーマイオニーに突っ掛かる。険悪な雰囲気に、早々にマルフォイくんにお別れを言う。

 いつぞやのジョージさんのようにマルフォイくんとの関係を聞くハーマイオニーに、パーティーで知り合ったのだと教えると「パーティー、」となにやら興味ありそうな表情をする。もし良かったら今度のパーティーに一緒に参加しないか、と誘うと彼女は嬉しそうに首を上下させる。
 あまりパーティーは好きではないのだが、ハーマイオニーと一緒なら楽しめそうだ。

「でも、マグルの私が参加していいのかしら?」
「……? ハーマイオニーは立派な魔女よ」
「そうじゃなくて、マグル出身は参加出来ないとマルフォイが言っていたのよ」

 複雑そうな表情をするハーマイオニーに、そんなことはない、と言っても難しい顔をしたままなので「パーティーは関係なしに、家に遊びにこない?」と誘い直すと、今度は快く了承してくれた。休暇中の楽しみができ、胸が弾む。

120418
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