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 なんでマルフォイといたんだとかマルフォイとはどういう関係だ、と主にマルフォイくんのことについて聞いてくるジョージさんに素直に答えていくと、ジョージさんは不機嫌そうに顔を歪める。

「あまりアイツとは関わるな」
「ええ。進んで関わろうと思ってないわ」

 らじゃー、と言ったにも関わらずもう一度同じことを言うジョージさんにしっかりと頷いてみせると、ようやく彼は表情を緩める。

「そうだ、クリスマスプレゼントありがとう」

 素敵なプレゼントだった、と私の頭を撫でて言うジョージさんに頬を赤くするも「早速家族に仕掛けて遊んだ」と続く言葉に固まる。……もしかして私は、ジョージさんの家族に申し訳ないことをしたのでは?

「僕があげたのはどう?」
「とっても素敵よ、大切に使っているわ」

 クリスマスにジョージさんから贈られてきた、時間の分かるグッズ。マグルの腕捲き時計に似せて作ったというそれは、アラーム機能もついているなかなかの優れ物である。困ったことといえば、アラーム音に気付かないと時計が激しく怒りだすことくらいだ。



「……そうだヘンリー、これ、切れてしまったんだ」

 突然しおらしくなったジョージさんの手元を見ると、ハロウィンにあげた紐切れを握られていた。魔法で直そうとしても上手くいかなくて、と申し訳なさそうに言うジョージさんに首を横に振る。むしろ、ただの紐切れであるそれを大切にしていてくれたことが嬉しかった。

120415
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