*51 「まるでだって?」 「聞き捨てならないな」 「「ヘンリーは僕の恋人さ」」 綺麗にハモる声。 引きつった顔のジョージさんが、フレッドの頭を叩く。それに対し文句を言うフレッド。 喧嘩を始める二人に巻き込まれないよう静かにしていると、いつの間にか席を取り戻したウィーズリーくんが隣に居た。 「二人がごめん。弟として情けないよ」と言うウィーズリーくんに、目を見開く。 ……ウィーズリーくんが、フレッドとジョージさんの弟……? よく考えてみれば、ファミリーネームも真っ赤な髪もそばかすもみんなお揃いだ。何故今まで気付かなかったのだろう。 「双子が散歩しようだなんて、珍しいこともあるのね」 「確かに。あの二人は騒いでるイメージしかないよ」 「失礼な。僕だって、散歩くらいしたいと思うさ」 「僕は邪魔をしたいだけどね」 ニヤリと笑う二人。 「あの、ヘンリー?」と遠慮がちに顔を覗くハーマイオニーが、ジョージと付き合っているの? と尋ねるので曖昧な返答をすると、ジョージさんがうめく。 「なんてことだ! ヘンリーは僕を弄ぶつもりだ!」 「ジョージの勘違いだったみたいだな、御愁傷様」 「……付き合うとかはよくわからないけれど、ジョージさんのことは好きよ」 あいらぶみすたーじょーじ。 ポッと頬を赤くするジョージさんを「信じられない」という顔でウィーズリーくんが凝視した。 120411 目次/しおりを挟む [top] |