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「まるでだって?」
「聞き捨てならないな」

「「ヘンリーは僕の恋人さ」」

 綺麗にハモる声。

 引きつった顔のジョージさんが、フレッドの頭を叩く。それに対し文句を言うフレッド。
 喧嘩を始める二人に巻き込まれないよう静かにしていると、いつの間にか席を取り戻したウィーズリーくんが隣に居た。
 「二人がごめん。弟として情けないよ」と言うウィーズリーくんに、目を見開く。
 ……ウィーズリーくんが、フレッドとジョージさんの弟……?

 よく考えてみれば、ファミリーネームも真っ赤な髪もそばかすもみんなお揃いだ。何故今まで気付かなかったのだろう。



「双子が散歩しようだなんて、珍しいこともあるのね」
「確かに。あの二人は騒いでるイメージしかないよ」

「失礼な。僕だって、散歩くらいしたいと思うさ」
「僕は邪魔をしたいだけどね」

 ニヤリと笑う二人。

 「あの、ヘンリー?」と遠慮がちに顔を覗くハーマイオニーが、ジョージと付き合っているの? と尋ねるので曖昧な返答をすると、ジョージさんがうめく。

「なんてことだ! ヘンリーは僕を弄ぶつもりだ!」
「ジョージの勘違いだったみたいだな、御愁傷様」

「……付き合うとかはよくわからないけれど、ジョージさんのことは好きよ」

 あいらぶみすたーじょーじ。

 ポッと頬を赤くするジョージさんを「信じられない」という顔でウィーズリーくんが凝視した。

120411
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