02

 扉をノックする音が鳴り響き、慌てて姿勢を正す。どうぞ、と返事をするとコンパートメントの扉が開き男の子が顔を覗かせた。見慣れた黒髪をしている彼にどことなく親近感がわく。もしかしたら同じアジアの人かもしれない、と声を掛けようとしたのだが、彼の眼鏡の奥にある瞳が緑色をしていることに気付き動きを止める。
 私の国は瞳も黒が基本であるが、アジアの中には緑色の瞳をした人が居る国もあるのだろうか? そもそもアジアの人は、みんながみんな黒髪なのか?
 そんなことを考えていたら男の子を凝視してしまっていたらしく、彼は困ったように首を竦める。

「ここ、座ってもいいかな?」

 向かい側にある席を指差す彼に頷くと、男の子は安心したように表情を緩める。大変そうに荷物を運ぶ彼を手伝うと、お礼を言われた。彼の荷物の一つ、鳥籠の中には雪のように真っ白なフクロウが居た。……可愛い。
 誕生日にプレゼントしてもらったんだ、と言う男の子に許可をもらい、フクロウを撫でさせてもらった。

120222
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