24

 広間につくと真っ先にハーマイオニーの元に向かおうとしたのだが、ウィーズリー家の双子に用事があることを思い出す。いくつかある赤い髪の中から双子を探すもお目当ての人物は見付からず、まだ広間にいないのかもしれないと考えていたところ双子の片割れを発見した。いつも二人で居る彼らが珍しく一人で食事していたためになかなか見付けることが出来なかったのだろう。

「おはよう。フレッド? ジョージさん?」
「ハイ、ヘンリー。俺はジョージだよ、フレッドはトイレ」

 フレッドの髪の色が元に戻ってから双子を見分けることは出来なくなってしまったのだが、今目の前に居る方がジョージさんらしい。よくジョージさんがフレッドに成り済ましたりフレッドがジョージさんに成り済ますことがあるが、目の前の彼は間違いなくジョージさんだ。もし彼がフレッドだとしたら正直にトイレなどとは言わず「フレッドは女の子に囲まれていて忙しいんだ」などとホラを言うだろう。

「これを渡しにきたのだけれど、フレッドにも渡しておいてくれる?」
「クッキー? この間言っていた奴かい?」
「そうよ、二人のおかげで上手くいったわ。……そうだ、これもあげる」

 ポケットから出したミサンガ、というより紐の切れ端に近いものをジョージさんの右足首に巻き付ける。特に文句は言われなかったので邪魔じゃなければ付けておいて欲しいと頼むと不思議そうな顔をされたので理由を言おう、としたのだが、漸く戻ってきたフレッドが押し潰すかのように背中に乗ってきたため言葉が続くことはなかった。

120315
目次/しおりを挟む
[top]

「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -