13

 鈴木くんと図書室で勉強をしていると、爆発音がした。扉近くに居る赤髪の男の子が糞爆弾を手にしているので、恐らく彼が原因だろう。ぼん! あ、また投げた。チラリと見たカウンターには人影がない。暫く我慢していれば飽きるだろうと勉強を続けていると、頭にそれがヒットする。

「一年のうちからガリガリ勉強するなんて、つまらないヤツら!」

 大丈夫? という鈴木くんの優しい言葉よりも先に、その言葉に反応したのも仕方ないと思う。ポケットの中から取り出した杖を振りながら呪文を唱えると、赤髪くんの頭が黒くなる。

「は?」

 呪文をかけられたことは理解したらしいが、何をされたのかまではわからなかったのか両手や足の裏を見ては首を傾げる赤髪くん改め、黒髪くん。黒髪人口を増やそうと入学してから秘かに練習していたのだが、まさかこんなところで使うことになるとは。誰で実験しようかと迷っていたので、ちょうどいい練習台になった。最後にあっかんべーをして颯爽とその場を去ろうとしたのだが、ドアの縁に足を引っ掛けて盛大に転んだ。黒髪くんには爆笑されるし、鈴木くんまで笑っている。……恥ずかしい。

120304
目次/しおりを挟む
[top]

「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -