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※過去の話

「ヘンリーって未来が見えるのね」

 凄い! と褒めるユキを見て、未来を見えることは偉いことなのだと思った。パパとママに、未来を見えることは誰にも言ってはいけないと言われていたけれど、ユキには全てを話していた。だってユキは、私の親友だから。

「ねえ、明日のことを占って」
「いいよ」

 得意になって水晶を取り出し、ユキの明日を見た。――朝ご飯にコーンフレークを食べて、小学校に向かっているユキ。通学路でガムを踏んで、とても怒っている。――見たままを告げるとユキは、うえーと嫌そうな顔をした後「気を付けるよ、ありがとう」とにっこり笑う。その笑顔が好きだった。


「ユキ! おはよ!」
「……ヘンリー」
「どうしたの?」
「猫が……ペットの猫が死んだの。ヘンリー、どうして助けてくれなかったの? ねえ! 知ってたんでしょ!」

 大粒の涙を流すユキ。泣き虫なユキは些細なことでも泣きじゃくったが、その出来事以来彼女は私を避けるようになった。喧嘩することはよくあったけど無視をされるなんて初めてで、どうするべきか戸惑っているうちにユキとの縁は疎遠になってしまう。マグルのユキとは家が特別近いわけでもなく、あっという間に彼女と顔を合わせることはなくなった。

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