*121 ※四年の冬 今年のクリスマスは学校に残ると、両親に手紙で伝えた。一緒にクリスマスパーティーに出ようと、アダムスさんとドリトルさんと約束したのだ。 アダムスさんはスリザリンの七年生と、ドリトルさんはハッフルパフの同学年の男の子と参加すると言っていた。私は―― その日はクィディッチの朝練がなく、セドリックを誘い空を飛んでいた。灰色の雲から水が降ってきて近くの木で雨宿りをしていると、セドリックがくしゃみをする。 「大丈夫? ……濡れてしまうけど、やっぱり走って帰りましょう」 「いや、大丈夫。……ねえ、ヘンリーはクリスマスパーティーにウィーズリーと行くのかい?」 杖を取りだして熱風を生み出していたのだが、セドリックの言葉に顔を上げる。ウィーズリーとは、ジョージさんのことを言っているのだろうか? ジョージさんを含めた誰ともクリスマスパーティーの約束していないと言うと、それなら一緒に行かないかと誘われた。 「セドリックと? この間、あなたのガールフレンドに会ったけど、あなたと行きたがってたわよ」 「……え? が、ガールフレンドなんていないよ!」 「……そうなの? でもセドリックと行きたがっている子はたくさんいるわ」 セドリックたち代表選手は生徒たちの前で踊るという大役もあるのだからと、他の女の子を誘った方がいいのではとすすめる。私はダンスなんてできないし、絶対足手まといになるだろう。 だが、セドリックは頑として私と行きたいと言い張り、そこまで言うならと彼の申し出を引き受けたのだ。 120921 目次/しおりを挟む [top] |