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「今年のクリスマス休暇も家に帰るのか?」
「ええ。ジョージさんたちは?」
「今年は僕たちも帰るつもりさ」
「本当? なら日本に遊びに来ない? ママが会いたがってるの」

 少し前に梟が運んできたお母さんからの手紙に「ジョージさんを家に招待しなさいよ」と私の近況を尋ねもせずに書かれていたのを見たときは少し切なくなったが、まあ、それだけジョージさんがお母さんに好かれているというのは嬉しいことなのだろう。
 ジョージさんは首を縦に振って快く日本に来ることを承諾してくれ、フレッドと二人で私の家に遊びにくることになった。

「日本って雪が降らないのか?」
「降るところもあるけど、私の住んでいるところではほとんど降らないわ」
「へー。変なの」

 私からしたら一面真っ白になるほど雪の降り積もるイギリスこそ不思議である。日本で降る水っぽい雪ではなくさらさらとした柔らかい雪を見たときはとても感動したが、雪が降るときの異常な寒さには二年目となる今年も参っていた。
 はあ、と白い息を吐き出すとジョージさんがマフラーを貸してくれる。

「……借りていいの? 首もと、寒そうだけど」

 首を露出させたジョージさんとマフラーを交互に見ていると、私の手からマフラーをかっさらったフレッドが無理矢理私の首に巻き付ける。ジョージさんの温もりの残るマフラーを握り締め小さく笑みを零すと、ありがとう、と二人にお礼を言った。

120816
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