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 着替えを終えて談話室に降りると、アダムスさんが待ってくれていた。隣に居るドリトルさんを見て首を傾げるアダムスさんに、ドリトルさんを紹介する。
 二人が並ぶと絵になるなあなんて思っていると、左にアダムスさん、右にドリトルさんが立ち、そのまま食堂に向かう。……両手に花だ。

「ヘンリー」

 グリフィンドールのテーブルでヒラヒラと手を振るグレンジャーさんに手を振り返す。
 アダムスさんとドリトルさんに一言断りを入れ、グレンジャーさんの元へ行く。よく眠れた? なんて当たり障りのないことから始まり、昨日の組み分けの感想や、これからの授業のことを話す。
 数分言葉を交わしてからグレンジャーさんと別れ、先に食事の席についているアダムスさんとドリトルさんに加わる。椅子に座り「いただきます」と手を合わせる私を不思議そうに見るアダムスさんとドリトルさんに、母国の食事の挨拶を説明した。

「今日の朝食も凄い豪華ね」

 昨日の夕食を思い出しながら、トーストにマーマレードを塗っていく。
 アダムスさんが物欲しそうにそれを見ていたのでプレゼントすると喜ばれた。
 ドリトルさんもちょうだいと言うのでもう二枚塗りたくってからパンに噛りつく。うん、美味しい。

「今日から早速授業なのね」

 綺麗な眉を寄せ、どこか嫌そうに呟くドリトルさん。それとは対照的に、アダムスさんは楽しそうに時間割りを眺めている。きっとグレンジャーさんも授業を楽しみにしているんだろうな。
 入学祝いに買ってもらった杖が入っているポケットを押さえる。これからの学校生活を思い浮かべて笑みを浮かべた。

120229
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