偽りの一か月

※偽りの関係続き

*斎藤視点*



俺が総司の誕生日会で恋人宣言してから一ヶ月程たった。



「まさか一君が可愛い恋人作るなんてね」

「別に付き合っている訳じゃない。その場しのぎの嘘だ」



屋敷に遊びに来ていた総司は満面の笑みで俺をからかってくる。



「確か、雪村家の…」

「千鶴だ」

「そうそう千鶴ちゃん」



僕の家の傘下の子会社なんだよねと呟き総司も紅茶を飲む。



「しかし、千鶴には迷惑をかけてしまった」

「あはは、いいんじゃない?しかも一応のためにしばらく一君の屋敷に住ませて
るなんて、本当一君らしいよ」



その時俺たちがいる部屋の扉が開いた。



「あの…」



扉から顔を出したのは話の中心になっていた人物だった。



「千鶴か」

「え、千鶴ちゃん?」



はっきり顔を見ていなかったのか総司は身を乗りだし食い入るように千鶴を見た。




「お話中でしたか?」

「いや、大丈夫だ」



総司にも同意を求めようと顔を向ければ目に入ったのは千鶴を見て固まった総司
だった。
それにほんのり顔が赤くも感じる。



「どうした総司」

「え…あ、ううん」



ハッと我に返ったのか慌てて返事をしてくる。



「本当に大丈夫か?」

「大丈夫だって。じゃ僕は行くよ」

「あ、あぁ」



総司は慌てたように立ち扉へと向かう。



「じゃあね千鶴ちゃん」



扉の横に立っていた千鶴に笑顔を向け総司は出ていった。



「あ、あの今の方は?」

「総司だ。お前も誕生日会に行っただろ?」

「え!?お、沖田財閥の…!?」

「行った誕生日会の主役の顔も分からなかったのか…」

「すみません…」



俺が呆れたような声を出すとすぐに返ってきたのは彼女の謝る声。
ここ一ヶ月で特に分かった事は別に謝る必要はない事にまで謝ってくる事だ。



「俺はこれから仕事で席を外す」

「はい」

「もし帰りたければ帰ってもいい」

「いいえ、お帰りをお待ちしてます」



俺はそうかと一言千鶴に告げて部屋を出た。
一瞬まるで夫婦の様だと思ってしまったがそれはこれからの仕事の事を考えてい
る内に消えていった。




偽りの一か月




―――
続編っぽいやつです。
これ続けてくと中編くらいにはなりそうだな。。
もし続いて欲しいなーと思ってくれる方がいらっしゃったら
どういう感じになってほしいか的な事を教えていただけると嬉しいです^^
20110321

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