形だけの・・・

キャゼルヌはヤンからの要望に機嫌を悪くしていた。
第十三艦隊の誕生をしっかり喜んではいるが、ヤンの要望はまた別だった。

「射撃の腕のたつものはいないかい?形だけでも護衛がいないとユリアンが煩いから」

そんな優秀な人材がフリーでたまるか!
キャゼルヌはそう思いながらも一応探すのだ。
優秀でフリーなどまずいないが。一人だけ思い当たる人物がいた。
 

ヤンは予定時刻にきっちり入ってきたキャゼルヌの選んだ兵を見て、納得した。カーチャル准将は納得していないようだが、命令だからと顔に出していた。

「不快ながらどうぞ宜しく。」
「んーこちらは不快ではないが宜しく。早速だが形だけでいいから私の護衛役をやれるかい?」
「はぁ〜やれますが。護衛対象が永遠に動かずにいたら、楽に護衛出来ますが。」
「そうしたら護衛対象は虫からは逃れられなくなる。」
「忘れてましたな・・・で、なんだよ。俺にこの艦隊に入れと?」
「あぁ、そうなるね。」

カーチャルは不愉快そうにヤンを睨んでから、目線をヤンのベレーに移した。彼女には軍人に従うのが不快でしかないのだ。

「まぁいいが。」
「よし、得意なことを教えてくれないか、役に立たせるから。」

カーチャルは躊躇いを見せたが仕方なく呟いた。

「暗殺」
「・・・な、なるほど」

ヤンは聞いてはいけない内容だと今更気づいた。
|
- 6//61 -
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -