格好つけて叫べ!!


「マダンテ!!」

ゼシカのマダンテを見ながら、エイトは暇だなと呟きました。
スライム相手に全力マダンテをしたゼシカは満足そうですが、ちょっとスライムが可哀想です。
姿すら消されたスライムを気にもせず、エイトは思ったままを口にしました。

「あのさ、技を使うときに何か言ったら格好いいかな?」

「技名言ってるじゃない」

「いや、そうじゃなくて台詞だよ」

厨二病は誰にも平等に訪れるらしい・・・・・・
何か厄介なことになりそうだとククールは、はやぶさの剣・改を片手に思いました。
格好いい台詞を一々考えて技を繰り出すくらいなら、無言でいいんですけどね。
二人はククールを無視して続けます。

「ゼシカ、なんかやってみて。
的はククールがやってくれるから」

「そうなの?じゃあやってみるわ。
・・・・・・・・・
『来ないで!!』」

まほうの小瓶使用後、「来ないで」と言いながらヒャドを唱えてくるゼシカ。
慌てて避けるも、さらに繰り出してくる。
ここでククールは何か違う気がしました。
なぜだろう、肉体的にではなく精神的に来るこの悲しみは。

「ゼシカ、なんで台詞が『来ないで!!』なんだよ!!
オレの嫌いか、マイハニー」

「だって近づかれたら怖いだから」

ムチ装備可能魔法使いが何を言う。
3DS版で弱体化しなきゃいけないぐらい強かった物理使いのくせに・・・・・・
口に出したら、巻き込まれそうなのでエイトは黙ったまま見ていることにしました。
しばらく逃げ回っていたら、ゼシカのMPが切れたようで落ち着いてくれました。

「じゃあ次は僕の番かな」

エイトはニコニコしながらククールの方を向きました。
反射的にスクルトをしたククールとはやぶさの剣・改を抜くエイト。

「『光よ!!』」

「!?」

ギガスラッシュです。
確かに光ですが、ただの雷じゃないですか。属性光ではない。
まあ勇者らしいといえば勇者らしいですね。

「ふー、モノマネうまかった?」

「誰のだよ」

「ウォーリア・オブ・ライト(光の戦士)の『シャイニングウェーブ』使用時の台詞」

「台詞だけで分かるかよ!!しかもFFネタじゃねぇか。
自重しろ、お前は」

今更何を言うんだククールは。
ゼシカの『来ないで!!』の元ネタは同じくDdFFのティナのブリザラ使用時ではないか。
でも確かに来るなと言われる戦闘は避けたいものがあるかな。

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