マルチェロの自由研究
武器の手入れはかかせません。
さすがに隊長であるエイトくんが、武器の手入れを怠れば大問題になるのは目に見えています。
勇者でありながらニートになるわけにいかないエイトは、せっせと武器の手入れをしていました。
メタル装備をはずさないまま、エイトは磨きあげた武器に満足しました。
そこに慌てて駆けつけた兵士が映り、自分の磨き方のうまさに感心しました。
「エイト隊長!!」
「はあ、隊長はつけなくていいよ。
それで何?」
「じ、実は見てしまいました。」
「トロデ王がとうとうミーティア姫に手を出したか。
あの容姿じゃあ仕方ないよな〜」
「え、えーと隊長・・・・・・そうではなく。
実は例のマルチェロが水酸化ナトリウムを買ったのを目撃してしまい」
例のマルチェロ。
トロデーンに隠居生活をしているマルチェロを指しているのです。
危ない真似をしないように、エイトはある程度の監視はしているのですが、大抵あの人がしていることはクロノスを甘やかすこと。
監視している意味などまったくないまま、日々が過ぎていました。
「とうとうククール抹殺計画を実行するのか。
よーし、僕も加勢しようマルチェロさんに」
「あの、隊長・・・・・・」
「ククールとは一発戦って見たかったんだよな〜」
悪意のない満面の笑みを浮かべるエイトを止められるものなど、この世にはいません。
ゼシカのマダンテぐらいではありませんか?
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