07.グランドタイタス号へ


血まみれククールが発見は、クロノスの悲鳴から始まる。
最悪な目覚めを迎えたクロノスは、しばらくマルチェロとエイトを恨むことになる。

まどろみの剣により刺されたククールは、自分の嫌われようにたいそう嫌気がさした。
マルチェロとエイトがいない中、二人は落ち着いて家で待機していた。

「なあ、探しにいこうぜ?
ユウコまでいないのは異常だ。
今何時だと思ってる?」
「私の体内時計はかなり狂いがあるから当てにするな。
多分もう帰宅するさ。」

その通り。
帰宅したのはエイトだった。満面の笑みのエイトは、ククールとクロノスの距離感に注目していた。
近い。これは近い。マルチェロがいたら発狂するぐらい近い。
切り出し方がわからないエイトは、満面の笑みのまま話す。

「グランドタイタス号が出航できるって聞いて、見に行ってたんだ。
二人とも行こうか」

嘘を平然と言い放つエイト。
謎の二人の距離感によりニヤリとできたため、違和感なく言い切れた。
グランドタイタス号が出航できると聞いた二人は、楽しい旅行準備のように慌ただしく動く。
大したものはいらないのだが。
最低限、武器さえあれば。
ククールは自分で持つのが大変に違いないはずだが、調子にのりクロノスの荷物まで持つ。

「ユウコはいるんだな!?」
「あ、うん。
君さ、今一番キラキラしてるよ」
「当然だろ?ゼシカがいないぶん癒しはユウコだ。
何せ兄貴はクロノスにゾッコンだし?」
「あぁなんかうざい。ゼシカは僕の嫁さん!!
なにさりげなく妙な事言ってるの!?
僕のこと舐めないでね。
ユウコちゃんはどーせマルチェロの方が好きだろうし?」
「はぁふざけんなよ!?ユウコはオレだろ?
マルチェロが奪っていいもんじゃねえ」

「・・・・・・ユウコは誰のものでもない。
それにマルチェロは私のものだ!!」

クロノスが叫んだ。
あまりの気迫に負けた男性二人は、顔を見合わせて家を出た。
そういう台詞は、マルチェロがいる前で言うから機能するもの。
ククールとエイトに言ったところで、普通なら恥ずかしいだけなのだが、
まったくそんな様子のないクロノスがいた。
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