08.絶賛船酔い


これは何かの試練か。
ククールは色々な雑念に耐えていた。
膝枕をするのは結構楽しいが、している相手がユウコというのは試練でしかない。
グランドタイタス号に乗り、一部屋借りたのだが、マルチェロとクロノスは部屋から出てしまい、
エイトは武器の手入れに夢中になっている。
困ったユウコはククールの膝枕で寝てしまった。
何に困ったか、それは船酔いする自信がありすぎることだった。
耐えられる自信のないユウコは、あらかじめ寝る選択をした。
そんなユウコの寝顔を眺めるククール。

「エイト、襲いたい衝動ってどうすんだ?」
「襲えば?」
「マジで?」
「手入れ終わりの武器から、被害者が一名出るだけだから。」

ククールはユウコの頭を撫でながら、すべてを聞き流した。
死ぬには早すぎる。
しかもクロノスが悲鳴をあげてしまう。マルチェロがあんまりのことに倒れかねない。

「あぁ〜もうレンダーシア着いたら告白する!!
当たって砕けるんだろ?」
「え・・・・・・あ、いいんじゃない!?
いいのか、砕けて」

エイトはある種砕けるところを想像する。
なんだか変質的になりかねないククールは、部屋の外が騒がしいことに気づいた。
マルチェロとクロノスの声だ。
扉を開けて入るやいなや
「羅針盤が盗まれたそうだ」
と、口を揃えて言った。

「マジで盗まれたのか?
セキュリティ低いな。防犯対策ぐらいしろよ」
「貴様それよりなんだそれは!?
何故膝枕をしている!!」

なぜかマルチェロに怒鳴られたククールは、ユウコが起きる方を心配した。
ゆっくり寝ているのに、起こしたら可哀想じゃねぇか。
不機嫌なマルチェロに苦笑いのエイト。

「兄貴、やっぱりユウコとクロノスで二股?
ひでー、クロノスにも膝枕してやれよ」
「何故私が膝枕なんぞしてやる必要が・・・・・・
・・・・・・・・・!!」

クロノスはブラックオーラでマルチェロを見る。
色々負の要素が混じり合うブラックオーラに触れて目を覚ましたユウコは、
睨むクロノスを見て首をかしげるしかなかった。
それを見て笑い転げた勇者は放置しておこう。
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