05.占い師 ユノ


「スライムタワー5匹を倒せば心は開けるだろう!!」

「占い師って物理技だな!?
スライムタワーって確かオルフェアにいたっけ?
マルチェロさーん?」

「物理過ぎて信用ならん!!」

気持ちはわからなくもない。
占い師が物理技なんて誰が想像しただろうか。
エイトはマルチェロの背中を押しながら占いの館を後にした。
去り際に「スライムタワー5匹だね」と言いながら。
追い出されたマルチェロはイライラしながらオルフェアの町を歩き出す。
プクリポたちが怯えているのがマルチェロには見えていないのか。
死神がでなからスライムタワーを5匹を倒すという可愛い討伐依頼。
ちょっと信用ならない。
エイトは仕方がなく自分一人で狩ることにした。
悲しみなんかとっくに捨て去っている。
ククールはこれに耐えたんだと思えば楽なものだ。

「さあ、スライムタワーを狩るぞ」

「なぜ私を放置する?」

「いや、だってやる気ないでしょ」

「レシピを落とすモンスターを狩らないわけがないだろう!!
1000G以下だろうが金は金だ!!」

本当に耐えてきたククールが素晴らしい、と心のそこから初めて感じたエイト。
できればマルチェロがいない方が楽だと思ったが、一緒に討伐することにした。
たかがスライムタワー相手に大の大人が切り刻むのをみている、人は不思議に感じるだろう。
作者ですら不思議なのだから!!

「スライムタワー相手に会心の一撃ですか?
僕としてはマルチェロさんが改心の一撃を食らうべきだと思いますよ」

「ククールへの間違いだろう?
あいつのせいで何度親御さんに頭を下げたことやら」

「聞きたくないです、聞きたくないです!!」

想像するだけで疲れるので、色々やめた。
マルチェロが魅力されていたら、エイトは真っ先に殴りにいくのだろう。
しかも満面の笑みで、Lv.90の斧を携えて。
スライムタワー5匹を倒し終えた二人。
マルチェロが宝箱を見ながら舌打ちをするなか、エイトはさっさと占いの館に向かった。
別に宝箱の中身がスライムゼリーでもいいじゃないか。
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