03.緑の眼をした魔女


小柄で動きが早すぎる。
ククールが対処する隙を作らない厄介な敵だ。
安物ではあるが盾があることがありがたい。これがなかったら今頃負けていた。
盾にスキルを振るんだったと反省しながら、攻撃を避ける。
もし逃げを封じる手を取られたら負ける。
こちらの狙いは時間稼ぎ。三人が来るまで堪えること。
死にたくはない。でも負けてやる気もない。
ククールは隙を見て蹴りを入れた。
しかし、相手がレイピアで左腕を切る。利き手、利き腕をやられた。

「ぐっ!!(つられたのはこっちか)」

追撃を盾で防ぐ。力負けはしない。
ただ、利き腕がやられ呪文の期待は不可能。
聖女、天使ぐらいしとくんだったと、後悔する。
三人の帰宅が予定より遅い。寄り道でもしているのだろうか。
ククールは舌打ち混じりに地面を蹴る。砂ぼこりが舞う。これで時間が稼げるか。
そのとき、ククールの真横を扇が通る。

「ナイス、ククール」

「お前引っこんでろ!!」

ククールの制止を聞かず、突っ込んできたユウコ。
狙いが誰だか分かっているのだろうか。平然としている。
さすがに怒るククールが怒鳴ろうとした途端、眩暈に襲われる。
貧血だ。腕を見て気がついたククールは、ユウコの顔を見上げた。

「あとは私がやる。」

「無茶だ、よせ!!」

「悪いわね。こいつが私を怒らせたの。
ククールは殺させない」

マジ切れユウコを見上げたククールは、目の色が緑色だと気づく。
気にしないユウコのその他の異変にもククールは気づく。
膨大な魔力が彼女の中から生み出されている。
これでマダンテなんてされたらたまらない。
しかもこの魔力はククールにすら敵意を向けていた。

「ユウコもういい!!よせ!!」

「こいつ殺してや・・・・・・
・・・・・・!?」
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