24.要塞は墓場 1/3

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【日付?気にしてない/天気 宇宙now
最近、ビッテンフェルトの顔を見ていると腹が立つ。この日記のテンションも腹立たしいが、ビッテンフェルトも腹立たしい。一発殴りたいな。あと】

王虎の揺れで自身が転がったため、日記は中断されたままになった。
リップシュタット戦役の特徴は、貴族が自ら破滅の道を歩んだことにある。自らの失敗を、滅びの美学と自己正当化。今までの貴族の欠点を象徴する形で幕を閉じた。
自ら戦い、自ら破滅した貴族を見ることになる、と思っていたローエングラム公の配下はいただろうか。キルヒアイスを除いて。
真実を知っている彼女は、本来ならありえないはずの形で、小さな歴史の結末を見ていた。
今頃、フレーゲルがくだらない一騎討ちを挑んで、ロイエンタールやビッテンフェルトにフラれているだろう。
自分の信念や理想で、部下を道連れにして良い法はない。帝国も同盟も、上官のせいで散らした命は数え切れない。降伏は恥ではない。部下を道連れに死んだ方が、恥だ。無理心中のためにいる兵士ではないのだから。
恥かどうかは別にして、カサンドラはため息をついた。
どちらにしても、軍人である以上は、殺人に関与しているわけだ。人としては恥ずべきことである、これだけは拭いようがない。
王虎の揺れに耐えながら、タンクベッドに向かう。やることがない。二時間寝ていれば、勝手にガイエスブルグ要塞は陥落する。戦争はいつも気持ちが悪くなった。
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