26.年上に譲れ 1/3

bookmark
ファーレンハイト、ミュラー、ワーレンの三人は外食をしようと、夜の人気のない道を歩いていた。
走るカサンドラをはじめに見つけたのは、以前に自分でフラグを立てたワーレンである。無視をすることも出来たが、わざわざ彼は自分でフラグを回収した。
三人に気づいていなかったカサンドラは、いきなり腕を掴まれたため、危うく転びそうになる。夜に出歩くことを叱りたいワーレンだったが、腕を掴んだ際に彼女が体調不良である事実に気づいた。これでは叱りにくいではないか。

「ビッテンフェルトのところから飛び出してきた口だな。」

俯いて事実を認めたからといい、手を離すわけではない。普通ならケスラー(憲兵)に世話になる。ギリギリ19歳ぐらいに見えるためせいで。

「悪いが、おれはこいつを」
「食事は人が多い方が楽しいですよ」
「三人も四人もさして変わらんからな」

ワーレンはビッテンフェルトの官舎まで送ろうと思ったのだが、ファーレンハイトとミュラーは食事に連れていくことで同意していた。
ほとんど会えない息子がいると、他人の子も可愛く見えるのだろう。ワーレンはカサンドラを自分の娘扱いするところがある。気づいていたカサンドラには「デカイ娘だ」と嫌みを言ってやりたかったが、悪い気はしないので言わなかった。彼の歳ならカサンドラなど、まだまだ小さいというわけだ。
ファーレンハイトは初めてカサンドラに会うわけだが、第一印象は「変わった子」だったようだ。
逆ハーレム状態フラグをクラッシュした提督三人と一人は、店を探し始めた。
[戻る]
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -