11.食文化 主にビール編 2/2

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帝国高級士官専用ラウンジ「海鷲の巣」にて。
休日のはずが、品とは正反対の軍事施設に訪れていた。この場所が嫌いというわけではないが、自分が足を踏み入れる場所ではないと思っている。軍人養成学校を出ていればまだしも。
それにしても未だにメニューが分からない。読めるのだが、そのもの自体が知らないものなので他人任せのオーダーになる。正直にいうと和食が食べたい。自由惑星同盟に行く機会があれば全力で和食を探すとしよう。分かる事というと、ドイツ人は辛いものが苦手らしいので、そのあたりは気にしなくて良い事。
ドイツの食事とは特徴付けするようなものはないようで、出されたものにぴったりの気の利いた台詞が出ない。ジャガイモ、ソーセージ、パン、黒ビールぐらいは知っている。過去に国旗がジャガイモ、黒ビール、ソーセージに見えて、お腹が空いたことがあった。
蘊蓄などはどうでもいいので食べようと思うと、他人任せのオーダーにしたことが原因だろうか。気づくとオレンジジュースが出されていた。ビッテンフェルトは黒ビールだ。やはり日本の代用扱いされるビールとは違うのだろう。そういうが未成年なので日本のビールを飲んだことはない。ビールマニアがそう語っている場面に遭遇したことがあるぐらいなもの。

「ビールとワイン、どちらがお好きなんですか」
「なんだ、子供扱いが不満か。俺のと交換してやろうか」
「は?」
「本当に冗談が通じないな、お前は。
俺はレモンサワーでもいいな」

斜め上を行く回答であった。ここは期待の答えてビールという場面だろう。おそらく、物資の種類が豊富なため、そこまで重視されていないだけに違いない。そう思うことで期待と理想を壊されずに済む。そう、いつか行ってみたかったファンが集まるあのバーに想いを馳せておこう。
“ジャガイモを潰してフォークで食べる”に苦戦していると、なぜか飲み物が増えていた。ノンアルコールのビールだった。
飲酒は16歳からではなかったのか。まさかあくまで子供扱いなのか。心のツッコミが収まりそうになかった。
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