第五話 意外な第七戦目

アリーナが狙ったのは空から闘技場まっしぐらに飛んできたドラゴンだ。
ドラゴンの目に当たった炎の玉でしたが、全く効いておらず闘技場に降り立ってしまう。
逃げ惑う観客の中、アリーナとテレサは赤いドラゴンと向かい合っている。

「ヤバイ!!あれはドラゴンガイアだ!!
クリフト、あの二人がいる位置にいくにはどうする」
「まず観客席の通路から」
「あぁ面倒くさい。ジャンプすればいいか。
ピサロとベビタンは避難経路確保。
怪我人は少な目にな」

逃げる観客の波に逆らい、ユーリルは大きくジャンプして空中でギガデインを唱えた。
少しの間動きを止め、無事に着地したユーリルと後から来たクリフトは初めてみるドラゴンガイアの迫力にびっくりした。
文献ぐらいでしか見たことないから。
予想より遥かにデカイドラゴンガイアにちょっと怯んだが、アリーナは気づいていただけあり動きが早い。
クリフトはスクルトを全員に重ねがけし、テレサはアリーナにバイキルトをかけた。
物理は彼女に任せるつもりのようだ。確かに正解だろう。
ドラゴンガイアのブレス攻撃を前髪をちょっと焼いたユーリルは機嫌が悪い。

「言っておきますが、フバーハはありませんよ」
「はじめから期待してないし。
確かにテレサとか言ったな。あんたは?」
「ない。
マホカンタしたら回復魔法まで弾いたか?」
「ちょっと、なんかこいつ変な技出した!!」

アリーナが言うので会話は中断された。
ドラゴンガイアの変な技が検討もつかないもの、と言うわけではなかった。
物理攻撃を弾き返したのだ。
これでは力自慢のアリーナの技が効かない。
クリフトは文献を正確に思い出そうと、戦闘中だが立ち止まった。

「確かそれは『竜眼』とか言う技ですね。
魔法か物理攻撃を完全ガードするものです」
「・・・・・・あぁ!?ってことは今物理攻撃完全ガードかよ。
たかが赤いトカゲが!!」
「口が悪いな、ユーリルとやら。
しかたがない、ギガデイン!!」

とは言うがMPは無限ではない。
長期戦になるようなら、回復以外では使いたくないもの。
クリフトはピサロが「凍てつく波動」を持っていることを思い出した。

「ユーリルさん、ピサロさんが凍てつく波動を持っています!!」

その後のユーリルはどこが様子がおかしかった。
ピサロという名詞に反応したように見えた。
歯を食い縛る彼を見て神官は、恐怖を感じた。

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