第三話 久々のサントハイム

ピサロとベビーサタンは王様から食事に招待されてしまった。
わざわざベビーサタンにまで一席与えたこの王様の器のデカさに、感心してしまうのはあとにしまして。
魔物と言えば『しもふりにく』。出された極上の肉にどうすればいいのか、ベビーサタンはいつものフォークを見ながら考えた。
1.このフォークでぶっ刺す。
2.手掴みで食べる。
3.食べない。
食べないなんて選択肢はもったいない!!
そのため、残りの二つから選ぼうとベビーサタンが頑張り出した時だ。

「失礼します、お父様!!」

テレサとアリーナ、クリフトが入ってきた。
助かったベビーサタンはテレサに手を振る。一瞥しただけのテレサに悲しくなるベビーサタンでしたが、気をとりなおして考えた。

「このベビーサタンは私の連れです。王様、お世話になりました」
「テレサ!?そりゃないぜ。
まだ『しもふりにく』食べてねぇ!!」
「王様、あのピサロとやらは、ついこの前世界に招いた悪事の元凶です。
そのようなものを中に招き入れては、何かあった際にアリーナ姫もこのクリフトもどうすればよいか!!」
「貴様らが私を仲間に引き入れたのではあるまいか・・・・・・」

ピサロとベビーサタンがちょっと文句を言うなか、王様の笑い声が響き渡る。
こんなときはやっぱりアリーナ姫の父なんだなって思う。
ベビーサタンを招き入れた時点ですごい。

「仲間だったのか。
ではみんなで食事とするか。
アリーナ、汚れた服から着替えてきなさい。それで食べ物の前はいかん。
クリフトと客人テレサ殿もだ」
「おっちゃんやるな〜やっぱり一国の王は違うぜ。」
「ベビーサタン。一ヶ月のデザート、おやつ抜きにされたいか?」

ほのぼのとした空気にアリーナは嬉しくなる。
ちょっと前までサントハイムには誰もいなかった。明るい笑い声も、温かい食事もなかった。
平和が戻った素晴らしさに微笑んだ。

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