第9話 三人の行方 1/4
暗い機械都市。どこか神羅カンパニーを思い出させた。近くには噴水はないが広場があり、そこから離れたらスラム街のようだ。無意識に花売りを探してしまう自分が嫌になり、気づいたらある建物にいた。
そんなクラウドの帰宅が遅いことを、『審判者』のアジトにいる金髪の男が心配している。はじめてアジトに来たときに、クラウドが迷子になったことを思い出した。
金髪の彼はクラウドの実質上司みたいなものをさせられている。本人はチョコボ頭の野郎なんて興味はない。出来ることならやりたくなかったのだが、せっかく雇った彼を上が手放さなかった。

「クラウド・ストライフか。
ソルジャー。マテリア。バスターソード。」

自分にとって分からない単語を並べながら、アジトの出入口に向かう。どこにいるのか。検討はつかないが、探しにいかなければならない。仲間に会えば彼も落ち着くかもしれない。
一階に下りるとクラウドを勧誘したどうでもいい上司に出会った。無視をする訳にはいかない。とりあえず、形だけでも挨拶する。スーツというのが気にくわない。

「ポヒュライトのリーダーがこの町にいるとか。
君は何か聞いているかな?」
「知るか。
リーダーが変わったからとあっさり方針は変わらないだろう。
俺らはいつもと同じようにしていればいい。」
「まあそう思っているならいいんだけど、クラウドは?」
「迷子」

鼻で適当に笑った上司の横を通りすぎてアジトを出た。
自分たちの目的のために他者を使うのは、ポヒュライトも審判者も何も変わらない。唯一違う点があるなら、こんな無駄な争いがないポヒュライトの方がいくらか健全だろう。
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