第4話 幽霊とすっぴん 1/4
今からちょっと前。地下から出たラグナとスコールは、廃墟の遊園地に驚かされた。変な場所だとは思っていたが、遊園地に迷い込むという発想はない。
しかし、そこで楽しむのがラグナである。早速ジェットコースターに近づく。廃墟なのだから動くはずないだろうと思いながら、スコールはラグナを追いかけた。動かす気満々のラグナは、スイッチを弄りまくる。ジェットコースターの席に座り、辺りを見渡してみるスコールに、いきなり安全バーが下りてきた。嫌な予感がする。

「次はこれか?」
「ちょっと待て、ラグナ!!」

動き出したジェットコースター。飛び降りるわけにはいかない。
自分が乗りたかったラグナは、スコールにブーイングを言い出したが、そんなもの彼には聞こえなかった。
替われるものならそうしてくれ……

一方ジタンとバッツは、招き猫目の前に首を傾げていた。
地下に下がっていた二人が見つけたものは、金を要求する招き猫。しかも、一回に1000ギルの請求である。随分と強欲な招き猫に、腹をたてて殴ってみたがびくともしない。とりあえず二人は、自分たちの財布の中身を確認した。

「おれ、今、21ギルしかない」
「なんでだよ、バッツ」
「最近、銭投げばっかりしてたからな〜」
「精神的にくる技だな」

仕方がなく、ジタンが1000ギルを招き猫の腹に入れると、なんと返事をされた。

『ニャニャ、ありがとニャ
でも、もっと欲しいニャ〜』

さらに要求された。
感心するバッツの横に、怒るジタン。ある意味期待を裏切った招き猫に、怒りを向けてもあまり意味はないと思う。
寄付を集める機械に違いないと思った二人だったが、お金を入れた時に他に何を言うのか、好奇心が沸いてきた。
そして、ジタンの許可なしに、バッツがジタンの所持金を全額投入する。

「おい!!」
「ごめん・・・・・・もう入れた」
『ニャニャ、ありがとニャ
でも、まだまだ足りないニャ』
『ニャニャ、ありがとニャ
お腹はまだ空いてるニャ』
『ニャニャ、ありがとニャ
もっと食べさせて欲しいニャ』
『ニャニャ……』

1000ギルずつ反応していく煩い招き猫に、ジタンはフリーエナジーを噛ましたが、傷一つがつかない。不思議な不思議な招き猫の堅さに、逆に怖くなってきた。
どうやらこの招き猫、まだまだ金を入れておけるらしい。満杯になったら何を言い出すのか、確かに疑問である。
そこで二人は、金を稼ぐために来た人達から盗むという選択をした。バッツはジタンの盗みを物真似していたようだ。
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