愛しい師匠 | ナノ


▼ 05.ガールズトークに花を

日替わりの炒飯を眺めながら、如月は二人の会話に耳を傾けた。
聞きたくないのだが、話を振られた時に何も言えないのは、場の雰囲気を悪くする。
小南と加古のガールズトークに巻き込まれ、付き合わされているのが珍しい如月。
ガールズトークなど慣れていないので食べものを見るしかない。
出来れば話を振るな、と言っている訳だ。

「だから可愛い洋服とか必要でしょ?
デートとかお出掛けとか」
「そうね〜
でしょ、如月ちゃん」
「え?何か?」

話を聞いていなかった如月。
いきなり話を二人から話を振られた。
さっぱりわからないのだが、自分の話だったらしい。

「だから、あなたも可愛い洋服が必要でしょって話よ。
そんなボーイッシュ服もいいけど。
好きな人ぐらいいるでしょ?」
「はぁ・・・・・・で?」

「NO」と言わないから図星だと認識してから、二人は顔を見合わせた。
可愛い洋服を恥ずかしがる必要は女なのだからないだろう。

「可愛い洋服似合うわ、フリルとか。
ね、加古さん!!」
「そうよね、桐絵ちゃん?
ほら、男は可愛い女の子が好きなのよ?
買いに行く気ない?手伝うわよ。」
「ちっ・・・・・・似合うかよ、俺に」
「似合うわよ!!」

二人が口を揃えて言うのでうんざりした。
可愛い洋服を着た自身を想像し、嫌になった。絶対ボーダー本部には着てこないと決めて、二人の話を聞いた。

「好きな人はどんな服が好きなの?」
「まさか水着なんてマニアックな人じゃないわよね?
それは別れなさい、危ないわ」
「か、勝手な妄想するなよ・・・・・・
マニアックな人と付き合うか、アホ。」

如月は自分が女に弱かった事実を確認した。
二人が楽しんで話をするため、拒否するわけにはいかなくなった。
炒飯を半分食べたところで、如月はチョコミント炒飯を思い出した。
よく食べさせられた日の思い出を。

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