桜が散る。
はらはらと舞うように静かに散っていくのをただ眺めながら彼は俺の先を歩く。
ときたま、足を止めては俺がちゃんと後をついているのかを確かめるように振り返っては微笑みを見せる。
いちいち振り返らずとも子どもではあるまいしと腹が立つ。

前見て歩けと蹴り飛ばせば、痛いと言いながらも彼は笑って前を見る。

前を見るて歩けと言ったのは自分の癖に彼が何も言わないで前を歩くと不安になるのだ。

儚く散る桜のせいか、普段は煩いくらいの彼が物静かに背中を向けるからかは解らない。
ただただ不安になるのだが、子どものように心配されるのも嫌だったから、ちくしょうと小さく呟いて珍しく自分から彼の手に触れた。
彼の吃驚した丸く開かれた瞳に気分が浮上するのを感じて、たまには悪くないだろ?と笑ってやった。



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