「1,2,3…うひひ、珍しく今日は大勝ちじゃん。あ、やべ…あいつらにバレないようにしないとな…」
ニヤニヤと下卑た笑いが絶えないまま手元の万札を数え始める。
とある晴れた日の昼下がり。松野家の長男であるおそ松は、我が城と言わんばかりにふんぞり返りながら、常連である近所のパチンコ屋に来ていた。
前回は二度と来るかと唾を吐き捨てたこのパチンコ屋であったが、
暇つぶしにと軽い気持ちでもう一度入ってみればこりゃまた大勝ち。
いい日もあるもんだ、なんて思いながらそのお金をおもむろにポケットに突っ込んだ。
せっかくだから帰る前にコーヒーでも飲んで帰るか、とパチ屋の一角にあるカフェにhく入ろうとドアを開けた所で、ここの店員らしき制服を着た女性とすれ違いざまに肩をぶつけた。
「あ、っと申し訳ありません!!」
情景反射であろう。
バッと頭を下げて告げられた謝罪の言葉におそ松が大丈夫ですよ、と声をかけた。
申し訳なさそうにゆっくりと顔を上げたその女性。
どこかで見たことある。
あれ、
「もしかしてお前苗字なまえ…?」
「あれ…松野おそ松?」
どこかで見たことある顔だと思えば、中学校の同級生であった苗字なまえだった。
中学の頃とあまり変わらぬ顔とは裏腹に、ちゃんと出るとこは出ていて何とも可愛らしいお嬢さんになったものだ。
「うっわぁ、懐かしいな!中学の時以来だから、7年ぶりくらいか!変わってないなぁお前」
「そういうおそ松も全然変わってないじゃないの。何、相変わらず六つ子仲良しな訳?」
「まぁな。え、て言うかお前ここで働いてんの?バイト?」
「ううん、ここの店長さんが父さんの知り合いでね、そのコネで正社員として働かせてもらってるんだ」
「へぇ〜…頑張ってんだなぁ」
俺達とはまるで大違いだな、なんて考えながらふと時計を見た。
時刻は既に1時半を回っていて。
あ、やべ。今日ってあの昼ドラ最終回じゃん。
「悪い、苗字。俺今から用事あるんだった。じゃーまたな」
「うん、またね。バイバイ」
苗字の声を聞き流しながら、少しだけ小走りになりながらその場を去った。
「いやぁ、流石は最終回。あんなドロドロな展開からあんな風になるとは誰も思わないよ」
毎日の日課である昼ドラ鑑賞も今日の最終回で終わりとなる。
ちゃぶ台の向かいに座っていた弟の一松がお茶を持って戻ってきた。
受け取りながらそういえば、と昼の事を思い出した。
「…そういや、近所のパチ屋で苗字がいたぞ」
その言葉に一松がぴくりと反応を示した。
「苗字って、中学で同じクラスの?」
「そうそう、正社員として働いてるんだと」
その言葉にふーんと一松が興味なさそうに呟いた。
手元のお茶を啜りながらふぅと息を吐く。
結構可愛くなってたんだよなぁ。
なんてニヤニヤしながらそう呟けば、
気持ちわるいよおそ松兄さんと一松からの容赦ない一言が飛んだのだった。
ニヤニヤと下卑た笑いが絶えないまま手元の万札を数え始める。
とある晴れた日の昼下がり。松野家の長男であるおそ松は、我が城と言わんばかりにふんぞり返りながら、常連である近所のパチンコ屋に来ていた。
前回は二度と来るかと唾を吐き捨てたこのパチンコ屋であったが、
暇つぶしにと軽い気持ちでもう一度入ってみればこりゃまた大勝ち。
いい日もあるもんだ、なんて思いながらそのお金をおもむろにポケットに突っ込んだ。
せっかくだから帰る前にコーヒーでも飲んで帰るか、とパチ屋の一角にあるカフェにhく入ろうとドアを開けた所で、ここの店員らしき制服を着た女性とすれ違いざまに肩をぶつけた。
「あ、っと申し訳ありません!!」
情景反射であろう。
バッと頭を下げて告げられた謝罪の言葉におそ松が大丈夫ですよ、と声をかけた。
申し訳なさそうにゆっくりと顔を上げたその女性。
どこかで見たことある。
あれ、
「もしかしてお前苗字なまえ…?」
「あれ…松野おそ松?」
どこかで見たことある顔だと思えば、中学校の同級生であった苗字なまえだった。
中学の頃とあまり変わらぬ顔とは裏腹に、ちゃんと出るとこは出ていて何とも可愛らしいお嬢さんになったものだ。
「うっわぁ、懐かしいな!中学の時以来だから、7年ぶりくらいか!変わってないなぁお前」
「そういうおそ松も全然変わってないじゃないの。何、相変わらず六つ子仲良しな訳?」
「まぁな。え、て言うかお前ここで働いてんの?バイト?」
「ううん、ここの店長さんが父さんの知り合いでね、そのコネで正社員として働かせてもらってるんだ」
「へぇ〜…頑張ってんだなぁ」
俺達とはまるで大違いだな、なんて考えながらふと時計を見た。
時刻は既に1時半を回っていて。
あ、やべ。今日ってあの昼ドラ最終回じゃん。
「悪い、苗字。俺今から用事あるんだった。じゃーまたな」
「うん、またね。バイバイ」
苗字の声を聞き流しながら、少しだけ小走りになりながらその場を去った。
「いやぁ、流石は最終回。あんなドロドロな展開からあんな風になるとは誰も思わないよ」
毎日の日課である昼ドラ鑑賞も今日の最終回で終わりとなる。
ちゃぶ台の向かいに座っていた弟の一松がお茶を持って戻ってきた。
受け取りながらそういえば、と昼の事を思い出した。
「…そういや、近所のパチ屋で苗字がいたぞ」
その言葉に一松がぴくりと反応を示した。
「苗字って、中学で同じクラスの?」
「そうそう、正社員として働いてるんだと」
その言葉にふーんと一松が興味なさそうに呟いた。
手元のお茶を啜りながらふぅと息を吐く。
結構可愛くなってたんだよなぁ。
なんてニヤニヤしながらそう呟けば、
気持ちわるいよおそ松兄さんと一松からの容赦ない一言が飛んだのだった。