発言危機一髪
少女の意外な一面。
「リクオ様ァァァァァァ!!!いつ見ても可愛いですねぇぇぇぇぇぇぇ!!!」
リクオ様に頬ずりしている私を見て、奴良組一同は騒然としている。もちろんそんなことを私は気にしない。
「おまえよぉ、・・・少しは女だって自覚しろよ・・・。流石にその行動はみんな引くぞ・・・?」
呆れた顔で私を見る鯉伴さんは溜息を吐いた。
「だってこんなに可愛いんですよォォォ!!!鯉伴さんたちもこれくらい可愛かったら抱きしめるのに・・・。」
鯉伴さんの顔が引きつった。その隣で小妖怪たちがなんか張り切っている。
何そんなに張り切ってんだろう?疑問を浮かべ私は自分の仕事を始めた。
「「「「しおり〜!!」」」」
なんだなんだ何事だ?!表へ出ると小妖怪たちが着ぐるみを着ている。
・・・ちょっとキモイかも。
「なぁー俺ら可愛いだろ?!だから抱きしめてもいいんだぞ!!!」
・・・さっきのあの言葉か。余計なこと言ったなぁ。
「可愛いけど今からお風呂入るからまた後でねぇー(汗)」
「今じゃないとダメぇぇぇ!!!!」
追いかけてきたァァァァ!!!!私は全力疾走で走り回る。捕まったら危ない気がする!!
突き当りを曲がると鯉伴さんとリクオ様がいた。
「ちょうどいいところに!!!助けてください!!小妖怪たちが追いかけてくるんです!!」
「しおり鬼ごっこしてるの?僕もするぅぅぅぅぅ!!!!」
ちがぁぁう!!!
鯉伴さんがニヤニヤしながら私を見ている。ちくしょう!覚えていろよ!!!
「ほらこっちだ。」
途端ふわりと私の視線が天井へ向いた。そこにいたのは首無だ。見ると私は横抱きにされていた。
「く、くくく首無?!」
なんで横抱きにしてるの?!
「全く、あれほど発言には気をつけろと言っているのに・・・。兎に角今は逃げるのが先決だ。舌噛むからくしゃべるなよ。」
首無は溜息を吐くと、屋根の上に飛んだ。
「あの、首無ありがとう。」
私はできる限りの笑顔でお礼を言うと首無は真っ赤な顔をして顔をそらした。
「べ、別にしょうがないから助けただけだからな!!!」
「なぁ、俺のことは抱きしめてくれないのか?(ボソっ)」
「え?今なんて言ったの?」
「な、なんでもねぇよ!」
―後日―
「ねぇしおり、アンタ首無のことどう思ってるの?」
「急にどうしたの?毛倡妓姐さん。首無は別にただの仲のいい仲間だよ!」
「はぁ、・・・少しはアンタ自覚してよね全く。」
何を自覚すればいいのかもわからないとても鈍感なしおりちゃんなのでした。
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