02

そう思ったとき、ふっとブルーベルはもとのお部屋に戻ってた。
「どうだった?」
「……暗くなかった」

アハハってびゃくらんは笑った。
「正チャンのこと?だから、面白いって言ったでしょ」
「じゃー、何なのこの画像」

それは、ミルフィオーレファミリーに属する全員のデータで、入江のページ。
見れば入江だって分かるけど、さっきのホログラムで見た入江とは、随分雰囲気が違うわ。

「それはねーブルーベル。身分証明の画像なんて、そんなもんなんだよ。運転免許の写真なんて、指名手配みたいな写真になるじゃない?アハハハハハ」
「にゅ…ブルーベル、運転免許持ってないわ」

笑ってた、入江。笑ってた、びゃくらん。
なかなおり、できないのかな……。あんなに、楽しそうだったのに。

「ねーねー、びゃくらん。仲直りしないの?」
「ん〜、今回ばかりは、無理なんじゃないかなあ。正チャンって結構頑固なんだもん」
「でも、入江はずっと許してくれてたんでしょ?」
「まあ、許すしかないよねえ。仲違いして離れることになっちゃたら、正チャンは僕のスパイを続ける事も、僕の副官になることも出来やしなかったんだからさ」
「…………」

本当に…それだけ?入江…

ブルーベルは、何となく、それは違うよって思ったんだけど、「何となく」で何の証拠もないから、黙っちゃった。
実際に、入江はびゃくらんを裏切ってしまったんだし、今でもきっと入江はびゃくらんを好きよ、なんて言ってもびゃくらんはマシマロ食べながら笑うだけだと思うの。


「……ねえ、びゃくらん。ブルーベル、入江に付いてってあげてもいい?」
「どうしたんだい?急に」

案外、びゃくらんは驚かなかったし、怒らなかった。

「どーせ、入江たちがどんだけ死ぬ気でがんばったって、びゃくらんの勝ちに決まってるもん。ちょっとくらいハンデがあった方が面白いでしょ?」
「じゃあ、ブルーベルは僕たちの敵に回るのかい?」
「いちじてきに、よ。ブルーベルは、びゃくらんが好きだもん」

ブルーベルは、ぴょんとびゃくらんに飛び付いた。
「ねーねーいいでしょ?デイジーとかザクロとかトリカブトとか、ブルーベルがぶっ殺しちゃっても、びゃくらんの勝ちよ」
「ああ?なぁに生意気言ってやがるバーロー。オレがお前を先に殺してやるってんだよ」
「まーまーまー、ザクロ君」

びゃくらんがザクロを止めた。
「誰が誰を殺すかは、あとのお楽しみでいいじゃない?」
「そーよ。お楽しみよ。びゃくらんのだいすきなゲームよ。ザクロにどーこー言われる筋合いないもんねーだ!」
「はいはい、ブルーベルも怒んないの。ゲームは楽しむものでしょ?」

びゃくらんは、ゲームが大好き。だから、ブルーベルの提案に乗ってくれた。
「ブルーベルは、正チャンサイドで戦うんだね?」
「うん。びゃくらんと桔梗には何もしないけど」
「どうしてだい?」
「びゃくらんは好きだし、桔梗は強すぎるからゲームにならないわ。ブルーベルが死んじゃったら、ブルーベルが楽しいゲームじゃなくなるもん」
「……デイジーを殺すのは無理だよ?」
「やってみなきゃわかんないでしょ。ブルーベルの方が強いもん。それに、デイジーは死ねないんじゃなくて、死んでもリ・ボーンしちゃう能力でしょ。99回殺して生き返っても、100回殺してやったらホントに死ぬかも知れないよ」
「アハハハッ、面白いこと言うね、ブルーベル。……それで、正チャンサイドが負けちゃったら、ブルーベルはどうするの?」

(どうするの)


……もう、ホントに、なかなおり、できないの…?

「どうしたの?ブルーベル」

呼ばれて、ブルーベルは我に返った。
「……びゃくらんのところにもどるわ」

当たり前じゃないの。そんなこと。
「入江は、死んじゃったらもう二度とびゃくらんの隣で笑えないでしょ?ブルーベルが笑ってあげるわ」
「そう…。いい子だね、ブルーベル」

ブルーベルは、にこにこのびゃくらんに、頭ぽんぽんしてもらって嬉しかった。あと、マシマロももらっちゃった。
お口に入れて、もふもふおいしい。

「じゃー、もう行くね!」
「早いね」
「だって、あと10日しかないし、もうびゃくらんのゲームは始まってるでしょ?ブルーベルも始めるわ」

行っておいでって言われて、ブルーベルは修羅開匣して大空に舞い上がった。
本当は恐竜なんだけど、人魚っぽく見えるブルーベル。でも、今のブルーベルは、水だけじゃなくってお空も泳げるの。
オリンピックの表彰台も魅力的だけど、もっと速く高く泳げるブルーベルは、今の自分が大好きよ。この力をくれたびゃくらんも、だいすき。

ゲーム開始。
びゃくらんには言えなかったけど、ホントは「びゃくらんと入江の仲直り大作戦!」なのよ。
入江は、わかってくれるかなあ…
 

[ 9/100 ]

[*prev] [next#]
[図書室67]
[しおりを挟む]


×
「#甘々」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -