01

みんなで朝食をとると、入江は慌ただしく「Ciao!」って病院へと出勤していった。
でも、その前にブルーベルだけに、

「行ってくるよ。帰りはみんなの夕食後になってしまうから、待たずに寝ていていいよ。でも、朝食は明日も一緒だからね」

って、予定を伝えてくれたの。
そして、ちゅ…ってブルーベルのほっぺたに、キス。

「朝から見せつけてくれますね、入江正一」
「ねーねー正チャン♪僕にもちゅーしてよ、ちゅー」
「見せつけてないんだからガン見しなければいいだろう!!それから、日本人は家族にも友達にもキスしません!」

ブルーベルが真っ赤になってるうちに、どたばた出て行く入江。

「……びゃくらん」
「何だい?」
「ブルーベルは、入江の家族じゃないの…?」
「ん、日本人は、キスするのはカップルくらいなんだよ。恋人同士や夫婦限定ね。だから、ブルーベルは正チャンにとっては家族にプラスして、結婚を約束した恋人同士だよっていうことを、隠さずに表現してくれたんだよ」
「ほ〜…、入江って案外せっかちな奴だな。つい最近連れていたガキを嫁に予約か?それともロリコンか?まあ、勇気は日本産のサムライだな」
「誰がガキでロリよっ、ザクロの電波!ブルーベルはレディーなのよっ」

言い返したけど、ブルーベルは、なかなかほっぺた赤いの収まってくれないわ。

(6年、待つよ)

(成長していく君もきっとすてきだけど、僕が今好きなのは、今の君だから)

だって、昨日もどきどきしちゃったけど、改めて入江のことばを思い出すと、色々今更意味が分かってどきどきなの。

入江は、ブルーベルにプロポーズしてくれたけど、大人になるのは急がなくていいって、今のブルーベルのまんま、すき…っていってくれて、それって、それって……

「にゅにゅーーーっ!!!」

「…なぁに、誤作動してんだ電波は」
「アハハあれはね、誤作動じゃなくって、乙女の恥じらいなんだよ♪」
「アレが乙女ですかねえ…」

ザクロとびゃくらんが何か言ってたみたいだけど、ブルーベルはそれどころじゃなかったわ。
だって…だって。

大人に成長していなくたって、今のまんまのブルーベルを、すきって言ってくれたのなら…ブルーベルだけだって言うのなら、ブルーベルは入江の…恋人?
それに、プロポーズしてもらえたなら、今花嫁さんになれなくても、それは婚約者…っていうこと、よね…?

ブルーベルも、入江のこと、すきなんだもの。
花嫁さんになりたいから…両想い、なんだもの。

どきどきが、止まらない。
ブルーベルは、施設で育って、足が不自由で、誰かの花嫁さんになるなんて、諦めていたわ。女の子らしく、人並みの夢なんか見たって仕方がないって、思い知らされるのがイヤで、こっちからポイって捨てた気持ちになっていたのよ。

それなのに、入江は…

(僕の花嫁さんになってくれないかな)

迎えに来てくれた、王子様…みたい。

ブルーベル、そこまで脳内で思って、にゅーって叫んじゃった。
「白衣の高校生みたいな王子様って、アリなの!?」
「アリなのでは?白馬の代わりに白衣だと思えば」

・・・・・・・・・・。

「桔梗…まだそこにいたのね……」
「ええ。私らしく、優雅に紅茶を楽しんでいました」

美麗の次は、“優雅”なのね…

でも。桔梗って、ちょっとケバくてもナルシストでも、案外まともっぽいから、ちょっと質問してみたい。


[ 27/102 ]

[*prev] [next#]
[図書室63]
[しおりを挟む]


×
「#ファンタジー」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -