01

  
 
 僕は、独りだったから

 君が、来てくれたから

 独りじゃなくなったから

 君は悪い子なんかじゃないし、要らない子じゃないよ。




要らない子じゃないと、慰めてくれたのは、優しいことばと優しい笑顔だったから、安心したのに。

でも、少し、胸が痛いような気持ちになった。



(入江は、さびしかったの?)

(さあ…どうだろうね)

(ブルーベルがきいてるのよっ!)

(……ごめんね)


どうしてか、ごめんねって謝って、寂しいとは言ってくれなかった。

代わりに、ブルーベルに尋ねた。

(元気を、取り戻してくれたのかな)

優しいばかりだった。ずっと。

ブルーベルは、正一を想うと、複雑な気持ちになった。

……さびしいって、いってくれればいいのに。もしほんとうに、「そばにいてくれるだけでいい」のなら、びゃくらんにだけじゃなくて、入江にもそうしてあげるのに。
ブルーベルは、入江の、そばにいてあげるのに。

でも、正一が本当に寂しくなければいいのにとも思う。
寂しいのは、とてもかなしいことだから。

……ブルーベルがいなくても、入江がわらっていてくれるのなら、きっとそのほうがいいもの。

でも、ブルーベルは思う。
もういちど、正一に、あいたい。

ブルーベルが、入江の、そばにいてあげたいのかな。
それとも、ブルーベルの方が、入江にそばにいてほしいのかな……

考えて、ブルーベルはぶんぶんと首を左右に振って叫んだ。
「にゅーっ!そばに、いてあげてもいいだけよ!べつに、そばにいてほしいわけじゃ、ないんだからねっ!!」

なのに、ほっぺたが熱くなるのは、どうして?

「なによ入江のくせにーっ!ブルーベルがいっしょにいてほしいのは、びゃくらんなんだからねっ!!」
「アハハッ、僕もブルーベルには傍にいて欲しいよ」

軽やかな笑い声に、ブルーベルは真っ赤になって振り返った。
「ど…どしたの?びゃくらん」
「どうしたのは、僕の方だよ?通りかかったら、ブルーベルが僕の名前を叫んでたから」

白蘭は、ブルーベルに歩み寄ると、ぽふぽふと頭を撫でてくれた。

「入江って、正チャンのことだよね。未来では、ブルーベルはちょっと顔を合わせた程度だったと思うけど、正チャンと何かあったのかい?」
「……なんでも、ない」

とっさにそう答えて、ブルーベルは自分でも驚いた。

今…ブルーベルは、びゃくらんに、はじめてうそをついたの…?

でも、打ち明けたくないと思ったのだ。
湖の畔で、小鳥と一緒にいた正一と出会ったことは。

要らない子じゃないよと、抱き締めて貰ったことも、手を繋いで帰りに送って貰ったことも。
どうしてか、どきどき、心臓が跳ねたことも。


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