01

「正チャン、そろそろ学園祭の追い込みで忙しいんじゃない?」
「そうでもありません。もう、2年生が主力で、3年生は事実上引退している人も多いですから」
「正チャンもそうなの?」
「……さあ。どうでしょうね」
「って正チャン。僕が質問したんだけど?」

ふたりのやり取りを、ブルーベルは不思議な思いで聞いていた。
正一が、日本の有名進学校に「通っていた」未来は白蘭から聞いて知っている。そして、この世界で正一も出会った頃は中学生、そして後は高校生と名乗っていたので漠然とそうなのかと思ったいたけれども、実際に通学しているのかということを、現実的に考えたことはなかったのだ。

ブルーベルには、それ以前に、正一に帰る場所があるのか……いつもどこに去って行くのか、ということの方が心配で、気にしていたことだったからだ。
それに…

(入江のかぞくは、入江をおぼえていなかったのよ……)

「ブルーベル、連れていって貰ったら?」
「…にゅ。どこに?」

白蘭が、にっこーと笑った。
「だから、正チャンの学校の学園祭。中高一貫校だから、クラスや部活も沢山あるし、賑やかで楽しいと思うよ」
「…………」

ブルーベルは、正一を見上げた。
「…入江は、いいの?」

いつか、鈍行列車に乗っていった時のように、悲しい思いをさせたくない。

「いいよ」
正一は、にこりと笑った。
「多分、飲食系の出店が多いから、朝食は控え目にした方がいいかな」

ブルーベルは、つぶらな目を瞬いた。
本当に、いいのだろうか…?今まで、正一が普段どういう暮らしをしているのかということには、踏み込まない方がいいと思っていたのに。

「びゃくらんもいく?」
「行ってもいいんだけどさあ。僕とか桔梗とか、行くとどうなると思う?」

ブルーベルは、思い浮かべてみた。
日本の中高生が群れる学校に、どこの外人モデルだ芸能人だ?…的な男ふたり。

「びゃくらんと桔梗だけで、ドはでな出し物になるとおもうわ……」
「アハハ、行く先々でいちいち目を引いていたらさ、ブルーベルは正チャンの学校がどんなところか、よく分かんなくなっちゃうじゃない?」
「まあ、お祭りですから、普段の様子とは全然違うんですけどね」
「アレ?正チャン。僕に来て欲しいの?」
「少なくとも、羽根で飛ぶようなパフォーマンスはしないで欲しいです」
「う〜ん。それはOKなんだけどさ」

白蘭は、もふっとマシマロを口に放り込んだ。
「僕がついてったら、正チャンとブルーベルのデートの邪魔になっちゃうでしょ♪」

正一は、ブルーベルを見つめた。
「…って白蘭サンは言っているんだけど、ブルーベルは僕とふたりがいい?」
「にゅーっ!ブルーベルにきかないでよっ!!」

次のデートは、正一の学校の学園祭で決定。


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