01

「ブルーベル。ホントに、僕と真六弔花だけでいいの?」
「いいの」

白蘭の問いは、正一を呼ばないのか、という意味だ。
そして、ちょうど10歳という誕生日なのだから、ジッリョネロの屋敷に住んでいる皆にお祝いして貰ってもいいのではないかという提案だ。

「あっとほーむなのがいーのよ」
「どうしてだい?」
「盛大にお祝いする方が、ヘンだわ。ユニがいっぱいお祝いされるのは、ユニがみんなのお姫様だからよ。ブルーベルはそうじゃないもの」
「あ、ブルーベルは正チャンだけのお姫様だもんね♪」

ブルーベルは、飲んでいたオレンジジュースを白蘭に向かって盛大に噴いてしまって、白蘭が白からオレンジになったけれども、ブルーベルは何も悪くないもん!と思った。
確かに、ブルーベルの気持ちは白蘭の言う通りなのだけれども、自分で思うのと誰かに言われるのは違う。

それに、今日は正一が来ない…そう思うのはブルーベルにはとてもさびしくて、正一のことでからかわれたくはないのだ。

「ブルーベル、ケーキはどうしますか?」
「いちごのケーキ!おっきいまるいやつ!」
「そうですね。主役でもないのにたくさん食べたがる人がいるので、大きい方がいいでしょう」
「そうだったわ…」
「アレ?桔梗、ブルーベル、どーして僕を睨んでるの??」
「「自分で考えてよっ!/下さい」」

そして、もうひとつ相談。

「ろうそくは、どうしますか?」

パターン1:10本
パターン2:最近はやりの数字のやつ(1と0?)
パターン3:大きいの1本

「3はさびしいわ…。11歳になったらありだけど」
「数字も可愛いのでは?」
「可愛いような、背番号のような、微妙なところだわ…」
「では、パターン1で、ろうそくを10本ドスドスと刺すのですか?」

……どすどす。

「いいわ…どすどすで。いっそいさぎよくドスドス刺すのが華やかよ。ケーキがおっきいだけに」
「では、ろうそくを用意しましょうか、百均で」
「最後のひとことが余計よ桔梗!!」

しかし、桔梗はほぼ完璧に何でも出来るので、ケーキの準備だけではなく、ブルーベルへのプレゼントも完璧だろう。
プレゼントは、白蘭はムラがある。かなりセンスのいいものをくれるかネタに走るかどっちかだ。ザクロは案外まともで無難な物をくれる安心。デイジーは毎年ぬいぐるみで、年々サイズがじわじわ大きくなっていく謎。

入江は…どうなのかな。
もし、プレゼントしてくれるのなら、やっぱりお花なのかな。身に着けるものなら桔梗やびゃくらんのセンスがいいって入江は知っているんだし、ブルーベルの宝物は、水晶の指輪なんだし…

あと…。それよりも…

「入江…やっぱり来ないよね…」
「独り言まで惚気かよ。入江はお前のダンナだろが。フツーに来るんじゃねーの」

だんなさま!!!

「ブルーベル、まだ結婚してないわっ!10歳よ!!」
「あと10年しないうちに貰ってくれるんだろうよ。いっそ婚約でもしろや」

こんやく!!!

「そのくらいにしておいてあげなさい、ザクロ。ブルーベルが眩暈を起こしているでしょう」

確かに、ブルーベルはくらくらしていた。
憧れでもあるし、身に覚えが有るからだ。

……だって、みんなには秘密だけど、実はちゃんと婚約しちゃってるんだもの!
それも、ブルーベルがもうすこし小さい頃のことで、水晶の指輪を貰って…
 

(ブルーベル。僕が大人になったら、僕の花嫁さんになってくれるかい?)

(……うん)

(その日が来るのを、待っているよ)

入江は、ブルーベルのほっぺたと、薬指にキスしてくれて…


(大好きだよ、ブルーベル)


「にゅにゅーーーっ!!!」


「なぁに誤作動してんだ?電波は」
「ハハン、それは、きっと誤作動したくなるほどロマンチックなことを思い出したんですよ」


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