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(危ないですから、子どもは隠れていなさい)
桔梗はそう言って、ブルーベルとデイジーの頭をぽんぽんってしたけど。
「あぶない」のなら、どうしてびゃくらんはブルーベルをここに連れてきたの?
ブルーベルは、ちっちゃくても修羅開匣…多分、まだしたことないけど、できるのに。
ここにいるのに、こどもで、ちっちゃいからっていう理由でかくれているだけなら、ブルーベルがここに来た意味なんかなんにもないのよ。
それに、デイジーはこどもでも役に立ったわ。
びゃくらんが、おおけがしたときに、デイジーは晴の炎でちりょうしたんだから。
もしγがとびだしていたら、すぷらったな感じに死んでいたのを、びゃくらんだからどうにか死なないでもちこたえたのよ。
救急車じゃまにあわないから、デイジーがびゃくらんのいのちをつないだのよ。
ブルーベルは、ホッとしすぎて、泣いちゃって、……くやしかった。
だって、ブルーベルは、「やくたたず」だったのよ。
桔梗はそんなことないっていったけど、こういうとき大人はうそつきだわ。
何もできなかったことくらい、ブルーベルがじぶんでいちばんよくしってるのに。
だから、びゃくらんが元気になっても、ブルーベルは、いっぱいいっぱい、かなしいまんまなのよ。
ブルーベルは、ひどいわ。
わるい子だわ。
びゃくらんが元気になったのに、じぶんがかつやくできいないからって、かなしくなっただなんて、「じぶんかって」や「わがまま」をとおりこして、「ひどい」っていうしかないのよ。
……いらない。
やくにたたなくって、ひどいブルーベルなんか、いらない。
〜小鳥〜
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[図書室60]
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