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「入江さんも招待したんです。来て下さるそうなので、楽しみにしていて下さいね」
「にゅ…。なぁんで、ブルーベルがたのしみにしなきゃいけないのよぅ」

それに、なぁんで、ほっぺたあかくしなきゃなんないのよっ!!
…とブルーベルが思っていると、ユニがにっこりと笑った。

「白蘭に聞きました。ブルーベルは、入江さんと仲良しなのでしょう?」

う、とブルーベルは詰まった。
……なかよし、なのかな…。ブルーベルは、入江のこと…

「ひゃくばんめに、なかよしなだけだもんっ!!」
「…100番目、ですか?」

ユニは、少し困った顔をした。
「お呼びしない方がよかったのでしょうか」
「そんなの、ユニがよびたければよべばいいでしょっ!」
「いえ…確かに、お世話になったひとですから、来て下さるのは私も嬉しいです」
「……だったら、それでいいじゃないの」

でも。

イヤだよ。

どうして?入江…

「入江って、びゃくらんでも、なかなかみつけられないんだよ!?どーやって、ユニが入江をとっつかまえられたのっ!」
「とっつ…?」

ユニは、小首を傾げた。
「森をお散歩していたら、偶然お会いしました。その時、私のお誕生日のパーティーに来てくれませんかとお願いしたら、いいですよと言って下さったので…」

ブルーベルは、泣きたくなった。

白蘭が言うには、正一は案外ひとの好き嫌いがはっきりしていて、苦手な人間には近寄らないのだ。
親友の白蘭でも、自分よりも桔梗の方がいいはずだからと、たまにしか会ってくれないらしいのに。

そんな正一が、ユニの前には姿を現しただなんて。

ブルーベルは、白蘭よりはずっと会えていると思うけれども、それでも帰りに送ってもらうのは森の出口までで、白蘭や桔梗が迎えに来てくれたと思ったときには、いつの間にか姿を消してしまっている。
ブルーベルは、それが本当は寂しいと思っているのに、決してそこから先には一緒に来てはくれなかった。

……なのに、ユニの誘いなら、パーティーに来てくれるだなんて。

森から出て、この屋敷に来るだなんて。

「……パーティーには、真6弔花はみんないるでしょ」

ザクロ、デイジー、トリカブトのことをどう思っているのかは知らないけれども、正一は白蘭や桔梗のことは避けている様子であるのに。

「はい。同じお屋敷に住んでいるのですから、みなさんでお祝いしてくれると嬉しいです」
「……だったら、入江のこと、ホワイトスペルのたいちょうさんってよんでびびらせる、太猿もふつうにいるんでしょ」
「びびらせ…ていますか?太猿は、いつでも怖い顔ですが」
「ユニ…そういうこと、にこにこしながらいう?」

いつでもだろうが何だろうが、誕生パーティーには、正一がいかにも苦手そうなメンバーがゾロゾロ群れているのだ。
それでも、正一は来ると言ったらしい。

……ブルーベルが知る限り、正一はひとを騙すことはしない。
お誕生会に来ると言ってすっぽかすなんて、そんなひどいことはしない。

「ユニ」
「はい、何ですか?」

ブルーベルは、じとっとユニを見た。
「こどもだけで、もりのおさんぽはいけないんだよ。ぜったい、γがいっしょだったでしょー?」

……ブルーベルは思った。
こういうの、「きくだけやぼだった」とかいうのよ。

(なのに…入江。ユニにはあったんだ……γもいっしょだったのに)

(入江は、ユニがすき…?)

「ふーんっだ!!入江なんか、よこれんぼしたって、1みくろんも、はいりこむすきまなんて、ないもんねっ!!入江のバカバカバカーーーっ!!」

ブルーベルが癇癪を起こして走って行ってしまったので、そこには困惑顔のユニがぽつんと残された。
「入江さんと、けんかでもしてしまったのでしょうか……」
「あ〜、それはね、心配いらないよ♪」
「白蘭…」

いつのまにか、ユニの背後からごきげんな笑顔の白蘭が歩いてくるところだった。
「また、新作のマシマロですか?」
「うん、そーなの。ユニちゃんにもあげる」
「ありがとうございます…でも、白蘭はあまりおやつばかり食べていると、桔梗に叱られますよ?」

ユニの小さな手のひらに、コロコロと新作マシマロをのせると、白蘭は笑った。

「ブルーベルも正チャンも、どっちも難しいお年頃なんだよ♪」
「お年頃…ですか?」
「ユニちゃんとγクンもそうでしょー?」

ユニが真っ赤になって、白蘭はアハハとおかしそうに笑った。


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