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風紀委員長・雲雀恭弥から、早退と異例の出席停止(流行病扱いで、欠席にはカウントされない)を命令された獄寺隼人は、彼にしては珍しく、その命令に従った。

だいたい、獄寺隼人は、10代目こと沢田綱吉の言うことしか聞かないので有名であったから、これも異例中の異例だった。

「ロシアンブルーかい?」
と、雲雀は、目をキラキラさせながらそう言っていた。

雲雀が好きなのは、小鳥などの小動物限定かと思っていたら、類友の法則なのか猫も大好きで、目がないらしい。
そして、猫に詳しい雲雀の言によると、ロシアンブルーとは、猫の品種のことであるらしい。

早退した獄寺は、自宅のPCのキーボードをカタカタと打っていた。
勿論というか、<ロシアンブルー>と打って、検索。

〜ロシアンブルー〜

・短毛種であり、毛の色はブルー(猫の場合、グレーの被毛を指す)によるソリッド。
・毛色はグレーであるが、1本の毛がティッピングと呼ばれる数色の色の帯を持つ為、光の加減によって銀色に輝く。被毛が淡いものの方がスタンダードに近いとされる。
・アイカラーは、鮮やかなエメラルドグリーン。
・フォーリン・タイプと呼ばれる、ほっそりとした優美な体つきと、楔形の頭を持つ。筋肉は発達している。
・尾は長く、先細りである。耳は基部が大きく頭の両側に向かって突き出し、耳介は薄い。

獄寺は、念の為に画像検索もしてみた。
「…………………………」

激しく、認めたく、ないが。

……これって、まさに今のオレ!!!orz(何かもう、打ちひしがれるしかない)

つまり、獄寺は、「ねこみみ病」という奇病にかかっていたのだった。

ねこみみごときに負けて、10代目のお側を離れる訳に行くか!!……と、死ぬ気で羞恥心を振り切って登校してみたものの、「ねこみみ病」という病名のくせに、実はねこしっぽまで付いているのだ。

(アレはコスプレか?)という男子生徒からの視線が痛い。(獄寺くんカワイイ〜!!)という女子の悲鳴に似た歓声は、もっと痛い。

いっそ、「アイツ変じゃね?」とせせら笑われる方が遥かにマシだった。そうであったのなら、延髄反射で果てろと叫んで、ボムをぶん投げるのに。

それに、敬愛する10代目の肩を、あの野球馬鹿の肩甲骨が馴れ馴れしく抱いちゃったりしているのに、獄寺はどうすることも出来ない。
ねこみみ病の接触感染率は100%。発症率は0.03%ととても低いのだが、ウッカリ接触してしまった結果、沢田綱吉にねこみみとねこしっぽが生えてしまったなら、それは間違いなく獄寺の落ち度なのだ。

「1週間の、出席停止……か」

たったの1週間放っておけば、ねこみみ病は誰にも感染させず、勝手に完治するという、特に治療のいらない、ドッキリ的だが無害な病気だ。
……そう、たった1週間、誰にも会わずにいれば……

「……さび、しい」

獄寺は、寝っ転がった自分のベッドの上で、思わずそう呟いてしまって、自分で愕然とした。

「うあああオレ!!ねこみみ生えて、頭ん中までおかしくなったんじゃねーのかっ!?」

……8歳で城を脱走し、10代目に出会うまで、自分はずっと、独りだったではないか。
孤独で、当たり前だったじゃないか。……何年も。


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