プーアール日和
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今日もお日さまは、ぬくぬくぽかぽか。手足をウーンと伸ばしてゴロンと横になる。身体からは、お日さまの匂いがふんわりと香る気がする。

「へへへ」

嬉しくて思わず声が漏れた。

「なになに、なんかあった?」

「なぁーんにもないよー」

隣で横になっている友だちに言ったら、笑われちゃうから理由は秘密。
身体中に満ちていくお日さまの匂いは、わたしが少しずつ少しずつ“大人”へと変化している証拠。
いつかは芳醇な香りをまとったセクシーダイナマイツな魅力あふれる女性になれるんだもん、こんなに嬉しくて楽しみなことはない。

「えへへ」

「なになに、なんなの?」

「なーんでもないってば」

思わずにんまり笑っちゃうわたしが、友だちは気になるみたい。でも、友だちだっていつかは“大人”になる。もしかしたら、友だちの方がセクシーダイナマイツになるかも。
思わず我が胸と友だちのそれをぢっと見つめる。
む。すでにやつの方が勝っているかも……!

「今度はなに?変な顔して」

「……何をしたらそうなるの?」

「なにが?」

……うう。言えない。胸の大きさが気になるなんて!

「……なーんでもない」

「さっきからなによ?気になるじゃない、の!」

「の」に力を入れると、友だちはいきなり抱きついてきた。そこから脇をくすぐられる。

「やだやだやめてー!」

「なんにも言わないやつはこうしてやる」

さらにどんどんくすぐられて、わたしはもう笑い声ががまんできない。

「あははひゃは、やめ、やめてー!」

わたしが笑い苦しんでるのに満足したのか、友だちは勝ち誇った笑みを浮かべた。

「ま、私の方が間違いなくセクシーに決まってるけどね」

「分かってたんじゃん!」

ぜーはー息を吐き出すと、互いに顔を見合わせて笑った。

今日もお日さまはぬくぬくぽかぽか。
いつか素敵な“大人”になって、誰かがわたしで笑顔になれたらいいな。




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Thanks!
芹科ちえ様@まよなかの魔法

お茶部経由で知り合いましたちえさんのプーアール茶擬人化イラストからイメージして書かせていただきました!

 

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