一目惚れ
今日ウチのクラスに転校生が来るらしい。
正直言って、あんまり興味はない。
けど、いい遊び相手になるかもしれんし、よく見といちゃろ。
「…ー――から来た転校生だ。それじゃ、望月、入っていいぞー」
担任の話が終わり、ガラガラ、っと開けられたドアから一人の女子が入ってきた。
「じゃ、自己紹介してくれ」
『はい。…えと、東京の氷帝学園から来ましたー、望月優花です。よろしくお願いします』
「かわ、ええ………」
…あれ、俺、今なんつった?
なん、俺が女に興味示すなんて今までなかったんに。
「みんな仲良くしてやるよーに!…じゃー席は、仁王の横が空いてんな。仁王、手ェあげろー」
別段顔がいいとか、ボンキュッボンとかなわけじゃない、よな?
何に惹かれてるかはわからんけど、「好きになるのに理由なんてない」、とはよく言ったもんじゃのう…
まっさか、俺がそーなるとは、世も末かもしれん。
「おーい、仁王ー。呼ばれてるぞー」
『ぅあ、は?え?…なん、ブンちゃん』
そして俺は、ブンちゃんによって自分の世界から引き戻された。
っつか、ブンちゃんよ。
主語をちょーだい、主語を。
「先公がキレる」
「…なんで?」
「………席、お前の横だから、手あげてやれって言ったの!」
「俺の、横…」
転校生がか?
いつ決まったんか、全く聞いとらんかったんじゃけど。
やべ、担任睨んどるから、とりあえず手あげんといかん。
「ってなわけでだな、アイツの横だ。スマンな、望月」
『あ、いえ。全然大丈夫です』
そんで俺の横に来た彼女はやっぱかわええわけで、
『よろしくね、仁王雅治くん』
なんでか俺の名前を知っとった。
『私の自己紹介、聞いてなかったでしょー?私、氷帝から来たの。景吾の従姉妹なのよ』
…氷帝で、景吾、って
「…俺様、何様、跡部様?」
『あーうん、そうそう』
「でも、何で名前知っとるん?」
『私、氷帝で男テニのマネやってたの。したら、転校する時みんなに「立海テニス部は危険な奴らしかいない!」って止められてね。だけど、私も親の都合だったから退くわけにもいかなくて。…結局、立海テニス部のこと、教え込まれたわけ』
氷帝の中で立海ってなに!?
んー、でも
跡部が身内の心配すんの、スゲー想像がつくんじゃが
「そか、…名前は?」
『望月優花』
「兄弟は?」
『一人っ子だから、いない』
「ペットは?」
『猫飼ってる』
「スリーサイズは?」
『…教えるわけないでしょ』
くそ、ひっかからんかった。
流れでイケるかと思ったんに…
「じゃあ、これ最後。…お前さんのこと好きなんじゃけど」
『ありがと……って、ええ!?』
「だから、好きなんよ。一目惚れ」
『あ、わ、私も好きです…!』
…どんな人か知ってても初対面のやつに告られたら、フツーは断るんじゃろうか?
断るんじゃろうな。
ま、いつか絶対に好きって言わせ…
あれ、今、何つった?
「………ええ!?」
『…なんで驚くの?』
「だって初対面じゃし、OKもらえるとは思っとらんかった…」
『だって私、氷帝にいた時から仁王くんのこと好きだったもん』
「危険だと教え込まれて、か?」
『違う。…その前から。大会で見かけたときに一目惚れ。景吾はそれ知ってたから必死に止めたんだと思う』
「…そか。じゃ、俺ら両思いなんじゃな」
なんじゃ、一目惚れで恋人になるなんて
『うん、これからよろしくね』
やっぱり、
好きになるのに理由なんていらないぜよ
一目惚れ
(あ、テニス部のマネやりたいんだけど)(駄目じゃ!危ないやつしかおらん!)(やっぱ立海って危険なのね…)(あー…、そーかもしれん)
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1000hit一発目!
蓮見美桜さんリクで
[仁王/ヒロインが転校生で仁王に一目惚れされちゃう]
でした。
美桜さんのみお持ち帰りOK。
大変遅くなり申し訳ないです…
仁王くんになってますか?(←)
楽しんで頂けたら幸いですm(_ _)m
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