大声で、せーの
※名前変換なし
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五月半ば
中三にもなればみんな顔も知っていたし、クラス替えして一ヶ月が過ぎたところで今までとなんら変わりはなかった
…そう、なかったんだ、席替えするまでは
中学の席替えというものは、だいたい一ヶ月半ぐらいの間隔で行われる
席替え自体は大好きなんだけど、これはどういった風の吹き回しなのだろうか
「お前が隣か、よろしく頼む」
あろうことか真田弦一郎の隣なんて
* * *
帰りのホームルームも終わり、今は二人でテニス部の部室へ向かっている
『まっさか、弦一郎と隣になるとは思わなかった』
実を言うと私はテニス部のマネージャーなんてものをやっていて、弦一郎とはわりかし話す方だ
というのもほとんどの女子が弦一郎を怖がって近付かないからだけども
そして弦一郎と私は、三年間同じクラスだったりする
だけど、隣の席どころか同じ班すらなったことがなかった
「何故だ?」
『だって三年間一緒で同じ班にもなったことないからコレは運命なのかなー、って』
「…なるほどな」
正直、私は弦一郎の隣になれたことが嬉しくてしょうがない
二年前、幼なじみの仁王に騙されてマネージャーになった私は、何だかんだ言いながら少しずつ部活に馴染んでいった
5月頃には結構みんな仲が良くて、私はその時からテニスに一生懸命な弦一郎に惹かれていたのだ
今までは、色恋沙汰なんて微塵も興味ないだろう弦一郎に告白なんてする気にもなれなかった
けど、今日こそ、彼の誕生日である今日こそ、私は伝えなければならない
「おーい、真田副部長!先輩!」
声の主を辿ると、赤也が笑顔で手を振っていた
手を挙げて返し、急ぎ足になる弦一郎の背中に向け、私は声をかけた
『弦一郎、』
「何だ?」
私は、少し先で振り返り、立ち止まった弦一郎に、今まで伝えられなかった気持ちを大きな声で言葉にした
大声で、せーの
(誕生日おめでとう)(ああ、有難う)(あと、…弦一郎が好きです!)
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愛しの真田が誕生日ということで
真田誕企画たるんどらん!様に参加させて頂きました!
企画参加させて頂き、有難うございました!
すっごい好きなのに真田初書き
でも書けてよかった、と思う
真田、はっぴーばーすでい!
2011/05/21 望月優花
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